訪日タイ人旅行者向けアプリ「Edamame」:日本にいるタイ人留学生が情報アップ
訪日外国人が2015年には1年間で、前年比47.1%増の約1974万人いた。目標の2000万人にも前倒しで達成しそうであり、日本人が海外に行くよりも日本に来る外国人の方が多い。訪日外国人で多いのは韓国、中国、台湾、香港といった周辺諸国だが、最近急速に伸びており、この4か国に次いで5番目に多いのがタイ人で、2015年には1年間で前年比21.1%増の約80万人のタイ人が日本を訪れた。
訪日タイ人旅行者向けアプリ「Edamame」
このように増加している訪日タイ人旅行者向けに、オープンストリームは2016年2月からiPhone アプリ「Edamame -Japanese restaurants guide」(「Edamame」(えだまめ))を無料で提供している。「Edamame(えだまめ)」というネーミングは、タイ人や世界中の人々に親しまれるサービスを目指す意味を込めて、日本の料理文化関連の検索キーワードとして、第1位の「SUSHI(寿司)」に続いて関心の高い「Edamame(えだまめ)」からとったものだ。「Edamame」のキャラクター「Edamameくん」も人気がある。このようなキャラクターはタイ人は大好きだ。
タイではバンコクのような大都市ではほとんどの人がスマホを使用しており、日本に来る旅行者はほぼ全員がスマホ利用であるから、アプリには慣れている。また、FacebookなどのSNSの利用率も極めて高い。そのため、日本に来るタイ人向けに、アプリを知ってもらうために、一般的なWebサイトでの告知だけでなく、FacebookなどのSNSを活用した口コミによる認知度アップを図っている。また、Edamame公式モデルや特派員をタイ人留学生から募集し、より魅力的なコンテンツの作成などをしている。
在日タイ人留学生がタイ人にあう店を紹介
「Edamame」アプリの特徴はなんと言っても「在日タイ人留学生」が飲食店情報をアップすることである。在日タイ人留学生のネットワークを活かして、彼ら自身の味覚・嗜好、そしてタイにいる家族や友人にも勧めたいという基準でお店を選んでいる。そのためタイ人にとって「美味しい店」、タイ人の「口に合う店」を見つけることができる。日本人でも海外に行った時には、日本人がお奨めする店の方が安心して行けるだろう。さらに「タイ人向けの専用アプリ」でタイ語で表示されるから、タイ人にとっても安心感も大きいだろう。
タイ語で近くのお店を自動で表示
また、現在のバージョンではアプリを起動するだけで、位置情報を元に現在地周辺にあるオススメの飲食店を自動で表示することができる。さらに駅名検索を使えば、旅行中のホテル等でゆっくり過ごしながら明日の訪問先を入力してどこのレストランに行こうか探すこともができる。
そして訪日滞在時に、難しい日本語の店名検索といった、不慣れで煩わしい操作は必要ない。また、タイ語、英語、日本語で表示されるので情報をスムーズに確認できる。つまり、このアプリはタイ人向けだが、周辺にいる日本人にアプリを見せてお店の場所を確認する時などには日本語も表示されているから日本人が見てもすぐに、どこのお店かわかる。現在、東京を中心に400店舗の情報が入っている。現在は在日タイ人留学生が店舗情報をアップしているので、地域などは大学が多いところに偏りが出来てしまっているが、今後はタイ人留学生が日本全国を旅行して、日本全国の「タイ人にとって美味しいお店」の情報をアップしてくれることだろう。
気に入ったお店はみんなで共有
さらに「Edamame」では在日タイ人留学生の他に、訪日タイ人が新しい店を見つけて、オススメしたい飲食店情報を新規投稿できる。飲食店情報へのコメントや撮影した写真の追加をしたり、良かったと感じた情報には「GOOD!」を送ることもできる。このように「Edamame」を通じて、タイ人同士で日本の飲食店情報を共有し、増やし、広げていくことができる。運営会社オープンストリームでは2016年4月に「Edamame」開発や情報収集の協力をしている在日タイ人留学生らを集めてサービス開始記念パーティを開催した。
またプロジェクトメンバーがバンコクで開催されたJapan Expoへ出向き動向を視察したり、現地のPR会社と協力してタイのSNSやWeb媒体などでEdamameのプロモーションをしている。在日タイ人留学生からEdamame公式モデル・公式特派員を募集しおり、彼らが大活躍している。
訪日タイ人への「おもてなしアプリ」へ
「Edamame」は日本に住んでいるタイ人らがふだん行っている日本にある「タイ人にとっても美味しい店」を選んで情報提供している『草の根のサービス』だ。またタイ人が日本に来た時に、日本で美味しい店を簡単に見つけられ、また自らも情報を提供できるアプリである。
ビザが不要になってから訪日するタイ人は増加しており、今年は100万人を突破しそうな勢いである。タイは親日国であり、日本のテレビ番組なども大人気だ。だが実際に日本に来ても、英語や中国語、韓国語のサービスや案内表示は多いが、タイ語はまだそれほど多くない。訪日してくるタイ人にとってはこのようなアプリは「心強い日本での旅のお供」だろう。そしてこのアプリが訪日してくるタイ人にとって「おもてなしのアプリ」としてもっと大きくなっていくことも楽しみだ。