米国AT&T:VRで「運転スマホ」危険シミュレーション:10代の3大問題の1つになった「運転スマホ」
アメリカの通信事業者AT&Tは2016年6月にSan Jacinto Central Campusや Martin Luther King Jr. Recreation Centerなどでバーチャルリアリティ(VR)のヘッドセットに自動車のシミュレーターの装備で「自動車運転中にスマホを利用すると、どれだけ危険か」のシミュレーションを多くの人に体験してもらった。
アメリカの若者の3大問題の1つ「運転スマホ」
アメリカでは多くの州で自動車運転中のスマホ利用は禁止されているが、それでも運転中のスマホ利用による事故死が後を絶たない。特に若者が運転中にスマホ利用で事故死することが多い。自分が交通事故で死ぬだけでなく、自動車で突っ込んでいき、相手に大怪我や事故死させてしまうこともあり、大きな社会問題になっている。かつてはアメリカの10代の3大問題は「ドラッグ・セックス・タバコ」だったが、最近の3大問題は「ドラッグ・セックス・運転スマホ」になり、タバコよりも「運転スマホ」による交通事故の方がアメリカの若者にとって大きな問題になっている。
10人に7人が運転中にスマホをしてしまい、そのうち61%がメッセージのやり取り、33%がメール、28%がネットサーフィン、27%がFacebook、17%が運転中の自撮り、14%がTwitter、Instagramを運転中にやっているようだ。
VRで「運転スマホ」の危険シミュレーション
AT&Tでは2010年から「“It Can Wait”(待てるでしょ)」キャンペーンと称して、「運転スマホ」の撲滅を訴えていた。それでもアメリカでは「運転スマホ」は減少していない。メッセージのレスもSNSも「運転が終わってくれるまで待ってくれる」ことからAT&Tでは「“It Can Wait”(待てるでしょ)」と訴えている。
「運転スマホ」で死んでしまってからでは遅いということで、どれだけ「運転スマホ」が危険かを理解してもらうために、VRヘッドセットを着用して、どれだけ「運転スマホ」が危険かを体験してもらうシミュレーターを米国各地で展開している。VRで実際に自動車を運転しているような状況でスマホでメッセージのやり取りをしている時に、横から人が出てきたら、反応が鈍くなってしまい、事故に繋がるような体験ができる。
AT&Tのインディアナ州の外商担当ディレクターのRichard Leverett氏は「誰もが自分だけは大丈夫と考えており、運転中にスマホをするが、決してそんなことはない。運転している時はスマホを見ないで、目の前の道路だけを見て」と注意を呼びかけている。
▼AT&Tが「運転スマホ」の危険を訴えたビデオ