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観光地でのスマホ自撮りで転落に要注意:ペルーで韓国人が転落死

佐藤仁学術研究員・著述家
(写真:アフロ)

2016年6月、南米ペルーのマチュピチュ遺跡でドイツ人の51歳の男性観光客が写真撮影の最中に足を踏み外してしまい200メートル下まで転落して死亡した。男性は立ち入り禁止区域に入り込んで撮影してもらう際にジャンプするポーズをとったら峡谷に転落してしまったそうだ。

また同じくペルーのアマゾンのジャングルで、韓国人の28歳の男性観光客が自撮りをしている時に足を踏み外し、500メートルのゴクタ滝に転落して死亡してしまった。せっかくの楽しい旅行が台無しだ。

スマホでの自撮りの時には足元に注意

海外や日本の観光地では外国人観光客の多くがセルフィーとよばれる自撮り棒を持って撮影している。個人であれ、グループであれ、セルフィーの先にスマホをつけて大騒ぎしながら撮影しているシーンをよく見かける。たしかに誰かに撮影を頼むよりも楽だし、友人同士なら誰もが写真に入ることができる。またセルフィーの長さをいかして、上から撮影することもできる。

スマホで自撮りをしていると足元に気が付かないことが多い。今回の韓国人の男性観光客も自撮りをして足を踏み外してしまって転落してしまった。自分の姿と一緒にゴクタ滝の絶景を撮影したかったのだろう。

日本人は観光地でスマホで自撮りをする人はそれほど多くない。日本人でスマホで自撮りをしているのは若い学生同士やアイドルがSNSにアップするために自撮りをよくしているが、観光地であれ日常であれ自撮りの際には周囲や足元にはくれぐれも注意して撮影した方が良い。また海外の多くの美術館や博物館は展示物に人やセルフィーがぶつかることからセルフィー(自撮り棒)の利用を禁止しているところが多い。

日本ではセルフィーを使わない人たちも、海外の観光地ではセルフィーを数百円くらいで売っているので、それを買って撮影する人も多い。日本で使い慣れないセルフィーを海外で突然利用するのは危険だ。スマホでの自撮りは足元を外して転落してしまうだけでなく、スリなどにも狙われやすい。スマホで自撮りをしている時に事故に巻き込まれたり、転落して死亡したり大怪我をしてもいいことなんて何もない。これから夏の観光シーズンだが、スマホでの自撮りにはくれぐれも気を付けた方が良い。

学術研究員・著述家

グローバルガバナンスにおけるデジタルやメディアの果たす役割に関して研究。科学技術の発展とメディアの多様化によって世界は大きく進化してきました。それらが国際秩序をどう変化させたのか、また人間の行動と文化現象はどのように変容してきたのかを解明していきたいです。国際政治学(科学技術と戦争/平和・国家と人間の安全保障)歴史情報学(ホロコーストの記憶と表象のデジタル化)。修士(国際政治学)修士(社会デザイン学)。近著「情報通信アウトルック:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)「情報通信アウトルック:ビッグデータが社会を変える」(同)「徹底研究!GAFA」(洋泉社・共著)など多数。

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