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米国、オーストラリア「ポケモンGO」大人気で「歩きスマホ」事故やトラブルも増加

佐藤仁学術研究員・著述家
NYPD 19th PrecinctのTwitterより

「ポケモンGO」がアメリカ、オーストラリア、ニュージーランドなどでリリースされて大人気だ。人気があり過ぎて、2016年7月12日には利用者が集中してサーバー障害が発生するほどだ。日本でももうすぐリリースされると報じられている。

「ポケモンGO」大人気で「歩きスマホ」も増加

「ポケモンGO」はユーザーが街でスマホのGPSとカメラを起動すると、カメラの画面に映った現実の世界にポケモンが現れる。そしてそれを画面上で捕まえて遊ぶゲームで他のユーザーと戦わせたりすることができる。ポケモンは日本だけでなく海外でも人気のキャラクターだ。屋外でスマホで遊べることも「ポケモンGO」の人気の1つで、場所によって出会えるキャラクターも異なるから、いろいろな場所に出向くと多くのキャラクターに会える。また遭遇したキャラクターの写真を撮影することもできるようで、Twitterには多くの写真がアップされている。ワイオミング州ではポケモンを探していた19歳の女性が川で遺体を発見してしまったことも話題になっている。

ニューヨーク警察Twitterより
ニューヨーク警察Twitterより
米道路交通安全局が注意をよびかけるTwitterより
米道路交通安全局が注意をよびかけるTwitterより

このように屋外で楽しめる「ポケモンGO」だが、屋外でスマホを見ながら遊ぶために、アメリカでもオーストラリアでも「歩きスマホ」による衝突や怪我などの事故が問題になっているようだ。

また運転中の「ポケモンGO」はもっと危険だ。アメリカではニューヨーク警察がTwitterで「君らを捕まえさせるようなことはしないでね」とポケモンのお馴染みのキャラクターのピカチュウと一緒の写真をアップして、運転中には「ポケモンGO」をやらないようにと注意を呼び掛けている。米道路交通安全局(NHTSA)でも同じようにTwitterで「運転中にはポケモンGOをやらないで!(Stay safe on the roads, don’t #PokemonGo and drive. #justdrive)」と訴えている。

オーストラリアでは民家への不法侵入も

またオーストラリアでは「ポケモンGO」での不法侵入も問題になっているようだ。以下に時事通信が報じている。

キャラクターは民家など私有地で見つかることも多い。西オーストラリア州警察は「『ポケモンを集めていた』は不法侵入の言い訳にならない」と警告した。

出典:時事通信

屋外でスマホの画面を見ながら、ゲームに夢中で他人の家の庭に入ってしまったのだろう。記事内にもあるが「ポケモンGO」が不法侵入の言い訳にはならない。明らかに犯罪だ。

リリース直後からアメリカ、オーストラリア、ニュージーランドで大人気の「ポケモンGO」だが、屋外で楽しめるというゲームの特徴から「歩きスマホ」での事故やトラブルの原因にもなっている。日本でもまもなくリリースされるようだが、「ポケモンGO」で事故やトラブルに巻き込まれないように注意したいものだ。

学術研究員・著述家

グローバルガバナンスにおけるデジタルやメディアの果たす役割に関して研究。科学技術の発展とメディアの多様化によって世界は大きく進化してきました。それらが国際秩序をどう変化させたのか、また人間の行動と文化現象はどのように変容してきたのかを解明していきたいです。国際政治学(科学技術と戦争/平和・国家と人間の安全保障)歴史情報学(ホロコーストの記憶と表象のデジタル化)。修士(国際政治学)修士(社会デザイン学)。近著「情報通信アウトルック:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)「情報通信アウトルック:ビッグデータが社会を変える」(同)「徹底研究!GAFA」(洋泉社・共著)など多数。

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