台湾Foxconn(鴻海)、シャープを通じて日本で格安スマホの販売開始?
台湾のFoxconn(鴻海)が、先日買収したシャープを通じて、日本のスマホ市場に参入してくると台湾で報じられている。2017年第1四半期(1~3月)からの販売を目指している模様だ。
詳細はまだ未定のよう
まだ報道だけなので、正式なリリースは出ていないようなので詳細な販売開始時期や価格、どのブランドで販売されるかなどの詳細は明らかになっていない。報道によるとエントリーレベルからミドルレベルの端末、いわゆる格安スマホを日本市場に投入してくるのではないかとの見方だ。ドコモやソフトバンクといった通信事業者だけでなくMVNOなどへの供給も考えられる。
iPhoneが圧倒的な日本のスマホ市場
IDCによると日本での2015年通年のスマホ出荷台数は、フィーチャーフォンからの移行が進み、前年比3.6%増の2,749万台だった。圧倒的にAppleのシェアが高く、日本で出荷されるスマホの過半数以上がiPhoneだ。シャープは年間出荷台数は3位ながらもシェアは10%以下で、Appleとの差は歴然としている。
日本人はiPhoneが大好きなようで、公正取引員会がMVNOの活性化などを目指して2016年8月に「携帯電話市場における競争政策上の課題について」を出して「0円端末」のような販売方法を牽制しても、iPhone7が登場したら、多くの日本人がiPhoneの新製品を購入している。さらに「iPhone7 Plus」への市場の期待も高い。
Foxconnの格安スマホは日本で売れるか
シャープのスマホといえば「AQUOS」でお馴染みのハイエンド端末が中心だった。ガラケーの時代からシャープが好きで、スマホになってもシャープを利用していた人も多かったが、最近ではiPhoneへシフトしてしまった人が多い。そして一度iPhoneを利用したユーザーは「使い勝手」や「ユーザーエクスペリエンス」の観点から、たとえ高くても次の端末もiPhoneの新機種を利用する傾向が強く、ますますシェアがAppleに集中しがちである。
Foxconnは世界最大のOEMベンダーのため、世界中の多くのスマホメーカーの製品の組み立てなどを行っているから、製品品質には大きな差はないだろうが、Foxconnが日本で格安スマホを販売するとしても、日本市場でどの程度受け入れられるのだろうか。もう既に同等の価格や仕様の端末は大量に日本にもある。何か相当な差別化された要素がない限り、かなり苦戦を強いられるだろう。そしてそもそも価格が安いローエンドやミドルエンドの格安スマホで「相当な差別化」を出すことは容易ではない。