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国交省、サムスン「Galaxy Note7」機内持ち込みを全面禁止へ:米国では違反したら刑事訴追も

佐藤仁学術研究員・著述家
(写真:ロイター/アフロ)

国土交通省は2016年10月17日にサムスンの「Galaxy Note7」の機内への持ち込みを全面的に禁止したことを発表した。10月15日に国内の航空会社に指示は出しているようだ。

「Galaxy Note7」は機内への持ち込みは全面禁止

「Galaxy Note7」は日本では販売されていないものの、世界規模で発火が相次ぎリコールされていた。交換したバッテリーでも同じように発火する事故が続いたことから製品の恒久的な生産を中止することとした。下記に国交省のリリースから引用しておきたい。

サムスン電子社製ギャラクシーノート7に係る追加的な措置について

サムスン電子社製ギャラクシーノート7(日本では未発売)については、発火等の事案が発生していましたが、改修品においても同様の事案が継続発生していることから、我が国において、同製品の航空機への持ち込みを全面的に禁止しました。

本件について、米国FAAは、10月15日早朝(米国時間で14日夕刻)、同製品について、電源を切った状態でも機内への持ち込みを全面的に禁止する旨の指示(米国時間15日正午:日本時間16日午前1時より発効)を発出しました。

我が国としても同様の措置を講じることとし、15日、本邦航空会社に対して指示を行いました。なお、9月9日以降、同製品は、機内で電源を切ること、充電しないこと及び預け荷物としないことを要請していましたが、今回の措置により、同製品は全面的に航空機への持ち込みができなくなります。

出典:国交省(平成28年10月17日)

(国交省リリースより)
(国交省リリースより)

アメリカでもは機内への持ち込みは全面禁止、違反したら罰金だけでなく刑事罰

「Galaxy Note7」は世界規模で数百万台以上がリコールの対象になっている。日本では販売されていないので、最近では国内ではあまり報じられていないが、海外では「Galaxy Note7」を所有している人は速やかにサムスンや電気店、通信事業者などに持っていくようにとの注意喚起が頻繁に報じられている。

現在は日本国内のフライトでも日本人だけが搭乗するものではない。多くの外国人が搭乗している。日本で「Galaxy Note7」が販売されていないものの、外国で購入した人や同端末を所有している外国人が機内へ持ち込んでしまう恐れもある。

日本だけでなくアメリカでも米国連邦航空局(FAA)が既に「Galaxy Note7」の機内への持ち込みは全面的に禁止している(預け荷物も禁止)。アメリカでは違反して機内に持ち込んだ場合は罰金だけでなく刑事罰となる可能性もあるとのことだ(Anyone violating the ban may be subject to criminal prosecution in addition to fines)。

今回の発火事故で、改めてスマホは精密機器であり、致死的な危険を引き起こす製品であることを認識した人も多いだろう。まだ飛行機内での「Galaxy Note7」の発火事故は起きてないようだが、空の上の密閉された機内で発火するようなことは想像するのも恐ろしい。

学術研究員・著述家

グローバルガバナンスにおけるデジタルやメディアの果たす役割に関して研究。科学技術の発展とメディアの多様化によって世界は大きく進化してきました。それらが国際秩序をどう変化させたのか、また人間の行動と文化現象はどのように変容してきたのかを解明していきたいです。国際政治学(科学技術と戦争/平和・国家と人間の安全保障)歴史情報学(ホロコーストの記憶と表象のデジタル化)。修士(国際政治学)修士(社会デザイン学)。近著「情報通信アウトルック:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)「情報通信アウトルック:ビッグデータが社会を変える」(同)「徹底研究!GAFA」(洋泉社・共著)など多数。

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