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人工知能であらゆる写真が「悪夢の怖い絵」に:米国MITがハロウィンに向けて公開

佐藤仁学術研究員・著述家
人工知能で「怖い絵」に代わった「恐怖の夜」の東京タワー (Nightmare)

アメリカのマサチューセッツ工科大学(MIT)は2016年10月22日に、ハロウィンに向けてあらゆる写真が、怖い絵に見えるサイト「Nightmare」を公開した。Nightmareとは「悪夢」のこと。

人工知能であらゆる写真が「怖い絵」に

MITが開発した人口知能(AI)「Nightmare Machine」では、あらゆる写真が「悪夢のような怖い絵」に変えられるとのこと。人工知能のディープラーニングを活用して「人工知能(AI)が人を怖がらせることができるのか」というコンセプトで開発されており、ハロウィンに向けて一般公開した。さらにInstagramでもAIによって変換された「怖い絵」をアップしている。

そして変換された「怖い絵」を見て「怖いか?怖くないか?」を投票することで、さらに人工知能が学習し、さらに「怖い絵」にしていくようにする機能を持たせているそうだ。

サイトにはローマやニューヨークなど世界各地の有名な観光スポットや人の写真が「怖い絵」になっている。また「怖い絵」になる過程も公開されている。「HAUNTED HOUSE(幽霊屋敷)」「FRIGHT NIGHT(恐怖の夜)」「SLAUGHTERHOUSE(大量殺害現場)」「GHOST TOWN(ゴーストタウン)」「INFERNO(地獄)」「ALIEN INVASION(エイリアンに襲われた後)」などいくつかの「怖く見えるスタイル」に分けられている。

アメリカ人が見て「怖い」と思うシーンと日本人やアジアの人が見て「怖い」と思うシーンは違う。日本人が見ても怖いと思わない絵もあるかもしれない。それらのフィードバックを受けて人工知能はますます強化されていき、あらゆる写真が「全世界の誰が見ても恐怖を感じるような絵」に変わる日が来るのも近いかもしれない。

「恐怖の夜」になった自由の女神 (Nightmare)
「恐怖の夜」になった自由の女神 (Nightmare)
「地獄絵図」となったルーブル博物館 (Nightmare)
「地獄絵図」となったルーブル博物館 (Nightmare)
「幽霊屋敷」風のローマのコロッセオ (Nightmare)
「幽霊屋敷」風のローマのコロッセオ (Nightmare)

Nightmare

学術研究員・著述家

グローバルガバナンスにおけるデジタルやメディアの果たす役割に関して研究。科学技術の発展とメディアの多様化によって世界は大きく進化してきました。それらが国際秩序をどう変化させたのか、また人間の行動と文化現象はどのように変容してきたのかを解明していきたいです。国際政治学(科学技術と戦争/平和・国家と人間の安全保障)歴史情報学(ホロコーストの記憶と表象のデジタル化)。修士(国際政治学)修士(社会デザイン学)。近著「情報通信アウトルック:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)「情報通信アウトルック:ビッグデータが社会を変える」(同)「徹底研究!GAFA」(洋泉社・共著)など多数。

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