インドのスマホ市場、2016年Q3は3,200万台以上出荷:インドで台頭してきた中国メーカー
IDCインドは2016年11月15日、インドでの2016年第3四半期(7月~9月)のインドにおけるスマホの出荷台数を発表した。それによるとインドでの2016年Q3では前年同期比11%増の3,230万台が出荷された。2016年Q2よりも17.5%伸びた。3か月で3,000万台以上の新製品のスマホが出荷されたは同社が統計を取り始めて初めてとなる。またLTE対応スマホの増加も著しく、インドで2016年7月~9月に販売されたスマホのうち10台に7台がLTE対応スマホだ。
フィーチャーフォンもまだ多いインド市場
インド市場では中古端末も大量に流通しているので、実際にはもっと大量のスマホが流通している。日本では2015年に1年間でのスマホの出荷台数が2,758万台だから、インドで3か月間に出荷されるスマホの方が圧倒的に多い。さらにスマホとフィーチャーフォンを合計すると3か月で前年比18.1%増の7,230万台出荷されている。インドではいまだにフィーチャーフォンがスマホよりも約4,000万台も多く出荷されている。これは圧倒的にフィーチャーフォン方が安いからで、廉価なフィーチャーフォンであれば新品でも30ドルくらいから販売している。スマホの新品の相場は100~150ドルくらいのレンジが売れ筋だ。
インドでのスマホ出荷はサムスンがまだ圧倒的な1位だ。中国のスマホ市場からは姿を消してしまったサムスンの存在感がインドではまだある。iPhoneのような高価な端末が売れないインド市場で、サムスンはハイエンドからミドルエンド、ローエンドまで多種多様な端末を供給しているので、サムスンのシェアは23%以上と大きい。
インドではMicromaxやIntex、Lavaなどの地場メーカーも台頭し、だいぶ普及している。インドメーカーではMicromaxとReliance Jioが3位と5位に入っている。フィーチャーフォンも大量に出荷している。Micromaxなどは日本では誰も知らないかもしれないが、インド人なら誰もが知っているスマホのブランドだ。
モトローラのブランド力でLenovoが2位
インドの地場メーカー以上に中国メーカーの存在感が大きくなってきている。2016年Q2には中国メーカーの出荷が75%増だった。インドでのスマホのメーカー別シェアでは上位5位では2位のLenovoに次いで、4位にもXiaomi(小米)がランクインしてきた。Lenovoのスマホ出荷の40%以上は「K5」シリーズが占めている。そしてLenovoが2位をキープしているのは、いまだにインドではモトローラのブランド力が強く、モトローラがLenovoになった現在でも「E3 Power」や「Moto G4」などモトローラブランドのスマホの売れ行きが好調だったことにも起因しているようだ。
中国メーカーXiaomi(小米)の台頭
他にもvivo、OPPOといった中国でもグローバル市場でも台頭しているメーカーが軒並みインドでも売れ筋だが、特にXiaomi(小米)の台頭は著しく、今回初めてランクインした。「Redmi Note 3」と新たに販売開始した「Redmi 3S」の売れ行きが好調で、3位の地場メーカーMicromaxに僅差まで迫った。
中国メーカーは従来の小売店での販売だけでなく、オンラインでの販売にも注力していることが、急速な普及の要因とみられている。LTE対応端末の10台のうち9台はオンラインで販売されているようでハイエンド端末はオンラインで購入する人が多い。
Xiaomiではインド人の多くがショッピングを楽しむDiwali(ディワーリ)のシーズンの10月末から11月初旬にかけての18日間にインドで100万台のスマホを販売したそうなので、次の四半期も上位にランクインしてくる可能性が高い。
(インドでの2016年第3四半期のスマホ出荷メーカー別シェア)
1位:サムスン(韓国)23.0%
2位:Lenovo(中国)9.6%
3位:Micromax(インド)7.5%
4位:Xiaomi(中国)7.4%
5位:Reliance Jio(インド)7.0%
その他 45.5%