Yahoo!ニュース

レジ不要、購入したら帰るだけ:アマゾンがシアトルで「Amazon Go」を2017年にオープン

佐藤仁学術研究員・著述家
スーパーで並ばなくても良い時代がやってくる

アマゾンは2016年12月5日に、アメリカのシアトルで「Amazon Go」というスーパーマーケットを2017年はじめにオープンさせる。新しいスーパーマーケットにはレジがない。

欲しいものを購入して帰るだけ。精算はスマホで

新型スーパーマーケット「Amazon Go」の買い物方法は以下の通りだ。

1. 利用者はまずスマホでアプリをダウンロードしておく。

2. 店舗入り口でスマホをかざして店舗に入る。

3. 欲しい商品を棚から選ぶ(この時、仮想カートに商品が追加される)。

4. そのまま店舗を出るだけ。

5. 購入した総計金額が計算されて課金され、レシートがアプリに届く。

下記にアマゾンが公開している動画をアップしておく。アマゾンでは「Just Walk Out」と名付けている。

「Amazon Go」を来年初めにオープン

レジ不要の未来型店舗

アマゾンは4年前から、このような無人スーパーマーケットを検討していたそうだ。「Amazon Go」での買い物では、コンピュータビジョンやセンサー、ディープラーニングなど自動運転車と同じ技術を活用しており、買い物客が棚から商品を選んだり、戻したらそれを自動認識して、仮想カートでも商品の追加と削除を瞬時に行う。買い物後にアマゾンのアカウントで請求処理がされて、アプリにレシートが届く。

買い物したら商品を持って出てくるだけでよい。レシートはスマホに(アマゾン)
買い物したら商品を持って出てくるだけでよい。レシートはスマホに(アマゾン)

「Amazon Go」は買い物したら瞬時に計算して精算も行うので、レジに並ぶ必要がなく、欲しいものを購入したらすぐに帰れる。スーパーマーケットのレジでの行列にストレスを感じている人は多いだろう。特にセール時やポイントが倍増する時のスーパーのレジは長蛇の列になることがある。このようなストレスから解放されるから、忙しい人にはぴったりだ。万引き防止につながる可能性も高い。

但し、初めての人が「Amazon Go」で購入するには事前にアプリでの登録が必要なので、ちょっとシアトルに立ち寄った人が「Amazon Go」で買い物するには不便かもしれない。

サンドウィッチを作っているのは人間(アマゾン)
サンドウィッチを作っているのは人間(アマゾン)

なくなるレジ打ち

現在でも無人で精算できるレジの店舗も国内外にあるが、アマゾンが発表した「Amazon Go」は本格的だ。これからこのような無人型のスーパーマーケットが主流になると、スーパーのレジ打ちという仕事も不要になる。スーパーには商品を仕入れたり、店舗を管理する人、サンドウィッチなど食事を作る人だけがいればよくなるのだろう。

機械であれば疲れることもないし、人間よりも間違いも少ない。そして人件費がかからなくなる分、スーパーでの販売価格も安くなることも期待される。

学術研究員・著述家

グローバルガバナンスにおけるデジタルやメディアの果たす役割に関して研究。科学技術の発展とメディアの多様化によって世界は大きく進化してきました。それらが国際秩序をどう変化させたのか、また人間の行動と文化現象はどのように変容してきたのかを解明していきたいです。国際政治学(科学技術と戦争/平和・国家と人間の安全保障)歴史情報学(ホロコーストの記憶と表象のデジタル化)。修士(国際政治学)修士(社会デザイン学)。近著「情報通信アウトルック:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)「情報通信アウトルック:ビッグデータが社会を変える」(同)「徹底研究!GAFA」(洋泉社・共著)など多数。

佐藤仁の最近の記事