Facebook、マイクロソフト、Twitter、YouTubeがテロリスト・コンテンツの排除で協力
Facebook、マイクロソフト、Twitter、YouTubeの4社は2016年12月5日、テロリストのコンテンツ拡散防止で協力していくことを発表した。
テロリスト勧誘対策のデータベース構築へ
Facebook、マイクロソフト、Twitter、YouTubeの4社は、今までもそれぞれのプラットフォームに投稿される暴力的な内容、テロ扇動、テロリスト勧誘などのコンテンツを削除してきたが、これからはテロリストの勧誘に使用される動画や画像などに対応するデジタルフィンガープリントのハッシュを共有するデータベースを構築し、共有していくことを明らかにした。Facebookによると「もっとも過激で悪質なテロリスト関連の画像や動画」を登録して4社で共有していく。
なお4社は、データベースでテロリスト勧誘などの動画や画像の共有はするが、自動的な削除などは行わない。テロリスト関連のコンテンツが共有されても、それらを削除するかどうかは各社が自社の方針に従って決定するそうだ。「個人を識別できるような情報の共有はされない」とのことだが、個人を識別する情報を収集をしないとも述べていない。
テロリストへの監視体制がますます強化されることから、ホワイトハウスや米国家安全保障会議(NSC)は今回のテロリスト関連のコンテンツ削除に向けた4社の取組みを大歓迎しているようだ。テロ対策の要諦は普段からの監視と偵察、そして情報収集だ。
テロリスト勧誘や拡散はネットやSNSから
今回の協力について「我々は、利用者のプライバシーや表現や言論の自由を守りながらも、ネットを通じてのテロリスト関連のコンテンツの拡散防止という世界規模での課題を解決していかなくてはならない」と述べている。本来ソーシャルメディアというネット上のプラットフォームは技術的にも思想の観点からも中立なものだから、これからはますます「テロリスト対策と表現と言論の自由とのバランス」が求められる。
SNSやスマホの普及によって、テロリストの勧誘や情報発信にもSNSが多く活用されている。スマホは低価格化が進み、世界中でスマホが急激に普及しており、若者なら多くが所有している。そのためこのようなテロリスト勧誘の投稿はSNSで世界中に呼びかけるのが一番効率が良い。またFacebookなら全世界で17億人、Twitterも3億人以上が利用していることから、テロリストが自らの主義主張や過激な画像、動画を全世界に発信するにはうってつけのプラットフォームだ。
「投稿と削除のいたちごっこ」から脱却できるか
テロリストと思われるグループのFacebookやTwitterのアカウントも大量に存在しているし、YouTubeには動画も多数アップされている。各社がそれぞれの判断で今までも削除してきたが、次から次に新たなアカウントに変更しては新たに投稿されている。このようなSNSは基本的に全て無料で登録し、アカウントを作成して、誰でも投稿できるので「投稿と削除のいたちごっこ」になってしまっている。
また今回のデータベースは過激なテロの動画や画像を識別してからの各社での共有なので、テロリスト側がソフトな内容での勧誘や主張の投稿など従来とは違う形式での情報発信をした場合には、また対応策の検討が必要になるだろう。