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フランス空軍、テロ対策や不法ドローン捕獲に「鳥の王者」鷲を採用

佐藤仁学術研究員・著述家
(フランス空軍)

フランス空軍はテロリストらが無人機ドローンを活用して空から偵察や攻撃をしかけて来たときの対策として、ドローン捕獲に鷲を採用する。現在、鷲のトレーニングを行っており、2017年夏からドローン退治に4羽の鷲を活用していく予定。

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上空でドローンを捕獲する「鳥の王者」鷲
上空でドローンを捕獲する「鳥の王者」鷲

ドローンによるテロ対策に

フランス空軍は特に国際会議などを狙ってテロリストが上空から偵察に来たり、爆弾を運んでくることなど上空からテロを行うことを懸念している。2015年11月にパリでは130人以上が死亡し、300人以上が負傷する同時多発テロが発生したことは記憶に新しいが、その2015年春にはエリゼ宮殿を含むパリ中心部で怪しいドローンが上空で何回も発見されていた。他にも2014年には原子力発電所上空を怪しいドローンが飛行していたこともあった。またシャルル・ド・ゴール空港では何回かドローンと飛行機が衝突しそうになるニアミスもあったそうだ。

「地上にたくさんの人がいるような場所では、ドローンを打ち落とすと破片が飛び散り、地上にいる人たちに破片がぶつかり危険なので、鷲がドローンを捕獲してくれることに期待している」とフランス空軍の広報官は述べている。

不法ドローン退治に鷲を使うのはフランス空軍だけでない。オランダ警察も2017年夏から4羽の5歳になる鷲を「空飛ぶ警察分隊」として採用、オランダの上空を飛ぶ違法ドローンの捕獲にあたる予定だ。世界規模で、ドローン退治には「鳥の王者」鷲が活躍する時代がやってきそうだ。

以下はオランダ警察による鷲のドローン捕獲トレーニングの様子を伝える動画

学術研究員・著述家

グローバルガバナンスにおけるデジタルやメディアの果たす役割に関して研究。科学技術の発展とメディアの多様化によって世界は大きく進化してきました。それらが国際秩序をどう変化させたのか、また人間の行動と文化現象はどのように変容してきたのかを解明していきたいです。国際政治学(科学技術と戦争/平和・国家と人間の安全保障)歴史情報学(ホロコーストの記憶と表象のデジタル化)。修士(国際政治学)修士(社会デザイン学)。近著「情報通信アウトルック:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)「情報通信アウトルック:ビッグデータが社会を変える」(同)「徹底研究!GAFA」(洋泉社・共著)など多数。

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