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フランス、世界初のドローンによる郵便配達の試験開始

佐藤仁学術研究員・著述家

フランスの郵便局が世界初のドローンによる郵便配達の試験を開始した。

決められたルートを週に1回の配達から

フランスの郵便局(DPDgroup)は、フランスのドローン企業Atechsysと提携して、まずはプロバンスで試験飛行を実施し、Saint-Maximin-La-Sainte-BeaumeからPourrieresまでドローンで小包を運ぶ。週に1回決められた約15kmのルートを飛行するので、まだ各家庭までドローンが郵便配達を行うことはまだできない。なおAmazonがイギリスで実施しているドローン配送や、米国セブンイレブンがアメリカで実施しているドローン配送は各家庭まで配送を行っている。

ドローンの離着陸には大きな専用ターミナルも必要 (DPDgroup)
ドローンの離着陸には大きな専用ターミナルも必要 (DPDgroup)

規制や技術的な問題もあり、具体的な全国での商用化時期は明確にされていない。フランス郵便局によるとドローン配達では飛行距離20kmまで、最大3kgの小包を配送可能とのこと。2014年からすでに600回以上の試験飛行を実施し、2015年9月から自動運転での飛行もできるようになった。

以下にビデオでの紹介もある。

離着陸には大きなターミナルも必要

フランス郵便局では、ドローンによる配達は「人手による配達が難しい地域への郵便配達に役立つだろうし、配達のラストマイル(自宅までの配送)への新たな手段になる」とコメントしている。今回のフランスでのドローンによる郵便配達試験もプロバンスの田舎で実施している。

以下はドローン離着陸には専用のターミナル紹介の動画。ドローンの離着陸にはこのような大きなターミナルを設置できる場所が必要となるので、全土での各家庭へのドローンによる郵便配達までにはもう少し時間がかかりそうだ。

学術研究員・著述家

グローバルガバナンスにおけるデジタルやメディアの果たす役割に関して研究。科学技術の発展とメディアの多様化によって世界は大きく進化してきました。それらが国際秩序をどう変化させたのか、また人間の行動と文化現象はどのように変容してきたのかを解明していきたいです。国際政治学(科学技術と戦争/平和・国家と人間の安全保障)歴史情報学(ホロコーストの記憶と表象のデジタル化)。修士(国際政治学)修士(社会デザイン学)。近著「情報通信アウトルック:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)「情報通信アウトルック:ビッグデータが社会を変える」(同)「徹底研究!GAFA」(洋泉社・共著)など多数。

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