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台湾、ASUSの家庭用ロボット「Zenbo」発売開始:高齢者見守りとSOSが充実

佐藤仁学術研究員・著述家
(ASUS提供)

台湾のASUSが開発した家庭用ロボットZenboを、台湾で2017年1月1日から発売開始した。2016年5月にCOMPUTEXで発表していた。そのボディと愛くるしい表情がかわいいという評判も高い。32GBで19,900台湾ドル(約75,000円)、128GBが24,900台湾ドル(約92,000円)だ。Zenboには教育コンテンツなども同梱されている。

子供向け教育と高齢者見守りができるロボット

Zenboは「ハイ!ゼンボー」と人間の声で呼びかけて指示すると、料理のレシピを教えてくれたり、テレビを付けてくれたりドアホンと連携するなどいわゆるスマートロボットの様々な機能がある。さらに子供向けの教育や勉強のコンテンツが充実しているのもウリだ。さらにZenboには倒れた人を認識してSOSの電話を家族に発信してくれる機能もあるようだ。家族と離れて暮らしている老人に何かあった時にすぐに家族のスマホに連絡が入るシーンも動画では紹介されている。

Zenboを見ていると、レシピや買い物などの情報検索と指示や家庭内の家電のリモコンやセンサーの代わりだけでなく、子供用の教育用コンテンツと高齢者の見守り対策の機能といったこれからの家庭用ロボットに求められている機能が伺える。子供の教育コンテンツは既にタブレットなどでも充実しているのでロボットに依拠しなくてもいいかもしれない。だが高齢者でも簡単に操作できるロボットと、ロボットによる見守りと緊急時のSOS連絡機能は、これからの日本の家庭用ロボットにおいても特に求められる重要な機能だ。まだZenboの日本での展開については明らかにされていない。

英語版のZenbo紹介動画。Zenboが教育、家事を手伝ってくれたり、倒れた人を知らせるSOSなどの様子が紹介。

以下は中国語版でのZenbo紹介動画。

料理作りでは、問いかけるとレシピを紹介してくれるシーン。

家のテレビをつけたり、音量調整もしてくれる。

学術研究員・著述家

グローバルガバナンスにおけるデジタルやメディアの果たす役割に関して研究。科学技術の発展とメディアの多様化によって世界は大きく進化してきました。それらが国際秩序をどう変化させたのか、また人間の行動と文化現象はどのように変容してきたのかを解明していきたいです。国際政治学(科学技術と戦争/平和・国家と人間の安全保障)歴史情報学(ホロコーストの記憶と表象のデジタル化)。修士(国際政治学)修士(社会デザイン学)。近著「情報通信アウトルック:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)「情報通信アウトルック:ビッグデータが社会を変える」(同)「徹底研究!GAFA」(洋泉社・共著)など多数。

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