京都地裁、運転中の「ポケモンGO」女性死亡事故で有罪判決
2016年9月に京都府長岡京市で、大型クレーン車を運転中に「ポケモンGO」をしていて、ミニバイクの39歳の女性を死なせたとして自動車運転処罰法違反(過失致死)で起訴されていた47歳の男性に京都地裁は2017年1月17日、禁錮1年6か月、執行猶予5年(求刑禁錮1年6か月)の判決を言い渡した。NHKが報じていたので下記に引用しておく。
「ポケモンGO」だけでなく運転中のスマホ操作は絶対禁止
「ポケモンGO」だけでなく、LINEやFacebookなどのSNSやニュースのチェックなど、運転中でも多くの人スマホが気になってしまう。だが運転中のスマホ操作の危険度は「歩きスマホ」の比ではない。自分が事故で大怪我をするだけでなく、歩行者や同乗者を怪我させたり、死亡させてしまう。
国交省は「運転中のスマホ操作は『道路交通法で禁止されている極めて危険な行為』である」と指摘しているが、国交省に指摘されなくとも、運転中にスマホを操作していたらどのような惨事を招くかは想像できるだろう。
死亡事故を起こしたクレーン車の運転手は信号で止まった時に「ポケモンGO」をしていたと供述しているようだが、信号で停止した後に前方をよく確認しないで発進して、停止中だったバイクにぶつかったそうだ。検察側は「停車中も運転行為の一環。危険性が非常に高く、過失の程度は大きい」としていた。停止中でもスマホに集中していると、神経がまだスマホの世界にいっているので、信号が変わってからも周囲への注意が散漫になってしまい、咄嗟の判断ができない状態なので非常に危険だ。
「ポケモンGO」だけがやたらと目立ってしまうが、スマホをしながらの運転は危険極まりない。だが「ポケモンGO」に起因する交通事故はたしかに目立っている。警察庁によると「ポケモンGO」の配信が開始された2016年7月22日から2016年11月21日までの4か月間で、運転中の「ポケモンGO」操作による人身事故は17都道府県で26件発生しており、そのうち3件が死亡事故だ。2016年10月には愛知県一宮市で「ポケモンGO」をしていた運転手のトラックに小学生がはねられて死亡する悲惨な事故もあり、遺族らが運転中のスマホ操作の厳罰化などの対策強化を訴えている。
他にも公共交通機関であるバスの運転手が乗務中に「ポケモンGO」を操作していることが各地で発覚して会社が謝罪するケースも相次いでいる。まだ乗客が乗っているバスが事故に巻き込まれる大惨事は発生していない。国土交通省も2016年11月に、業務中の携帯電話・スマホの使用禁止の徹底について、バスやタクシーなどの関係団体あてに通知している。
重大な人身事故や死亡事故にならずとも摘発された件数はさらに多い。「ポケモンGO」が配信直後の2016年7月22日から27日までの6日間のでは運転中の「ポケモンGO」での摘発、信号無視などによる取り締まり件数が45都道府県で406件もあった。これらは氷山の一角で、実際には警察に摘発されないまでも運転中に「ポケモンGO」もしくはLINEやニュースチェックなどのスマホ操作をしている人は多かったのではないだろうか。
「今なら大丈夫。ここなら安全だろう」と思い込んで、ついつい運転中にスマホを操作してしまうのだろうが、運転中のスマホ操作で「自分だけは大丈夫」ということは絶対にない。スマホを操作しながらの運転で人生を台無しにしてはいけない。