ポーランド、アウシュビッツ絶滅収容所の関係者の個人情報をネットで開示
ポーランド政府は2017年1月30日に、ナチス時代にアウシュビッツ絶滅収容所の建設から運営までに携わっていた約1万人の氏名と個人情報に関わるデータベースを初めてネットで公開したことを発表した。アウシュビッツでは第2次大戦時にナチスドイツがユダヤ人やロマなど110万人(そのうち子供が23万人)を虐殺したポーランド南部にある絶滅収容所。
ネット上に約1万人の収容所関係者の情報を開示
ポーランド政府としては、アウシュビッツ絶滅収容所の建設から運営に携わっていた約1万人の個人情報をネット上に5か国語で開示することによって、外国からのメディアや関係者が容易にアクセスすることを可能とし、アウシュビッツでの悲劇を認識してもらうことも目的の1つとしている。
現在でも約200人程度のアウシュビッツ収容所で働いていたナチスや関係者の生存者がいるとのこと。もっとも現在でも生存している収容所関係者は、絶滅収容所が機能していた72年以上前は、何の権力も決裁権も持っていなかったような若い看視や労働キャンプや施設関係者などだが、ナチスハンターたちは彼らが犯した罪を許す気は一切ないようだ。存命中にその罪を追求していく姿勢だ。
ネット上では現在、9,686人分のアウシュビッツ絶滅収容所に携わった関係者の個人情報(名前、出生地、国籍、学歴、軍歴など)が閲覧できる。実際には25,000人以上の関係者の情報があるようだが、まだ全て開示には至っていないようだ。ほとんどの関係者は既に死亡したり処刑されているが、ネット上で永遠にその罪を公開されている。他にもアウシュビッツでの犯罪に関わる350以上の裁判判決結果なども開示されているとのこと。
アウシュビッツの博物館館長のPiotr Cywinski氏は「人類に対する憎しみを持たせるポピュリズムの影響をより深く理解してもらうためにも、これからももっと情報を収集していく」と語っている。