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東工大の仮想通貨事業者との研究提携がネットで話題に

佐藤哲也株)アンド・ディ

ブロックチェーン周辺のコミュニティでは大変な話題になっている、かなり衝撃のニュースリリースです。

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一見素晴らしいニュースのようですが、残念ながら今回東京工業大が提携したIOHKは、詐欺的なビジネスを行っていた業者であるという報告が多数あります。

Twitter上の反応はこちらから。

代表的な反応

IOHKでは、セミナーなどを通じてCardanoプラットフォーム上で動作する仮想通貨とされるADAコインを販売していたようです。

http://zerojam.net/cardano/

(東工大のプレスリリースにもあるように、同社の代表がチャールズ・ホスキンソン氏です。)

そもそも、すでに国民生活センターなどが公表しているように、仮想通貨をめぐる消費者トラブルが多数発生しており、社会的問題になっています。

投資や利殖をうたう仮想通貨の勧誘トラブルが増加-「必ず値上がりする」などの説明をうのみにせず、リスクが理解できなければ契約しないでください-(発表情報)_国民生活センター

特に詐欺的な可能性の高い仮想通貨については下記の知恵袋ノートでまとめられていますが、カルダノAIDAコインも十分に詐欺の疑いがあるとされています。

詐欺が疑われる仮想通貨(暗号通貨)への投資 検証1 - Yahoo!知恵袋

また、こちらのブログでもよくまとめられています。

100%確実に儲かる仮想通貨3:東工大とカルダノADACOIN編 - 逆襲のタヌ神

ただでさえ、エセ科学に基づく健康被害に代表される、大学の権威が誤った方向に使われることの多い昨今、投資詐欺に大学のブランドが使われるような事があると、その被害は相当のものが予想されます。

そもそも、ビットコインに代表されるブロックチェーンは、既存の情報処理技術の枠を超えた社会的技術です。具体的にはプラットフォーム参加者のインセンティブ設計や既存の権力との政治的競合といった性質をもつ社会的影響の大きな技術です。より慎重な倫理的な取扱がもとめられるはずであり、そういった分野を含めた社会科学の専門家も多数在籍しているはずの同大学でこのような事態になったことは残念と言わざるを得ません。

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(追記 2/2 夜

一部読者のアドバイスに基づきタイトルと一部表記を追記・修正しました。

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(追記2 2/2 夜

先程、チャールズ・ホスキンソン氏より直接ご連絡をいただき、研究に関する資料を送っていただくことになりました。上記の評価は現時点で私の調べた範囲で、一定の信頼性を持つ思われる資料などを元に記載しておりますが、内容については今後修正される可能性があります。資料を頂き次第別途記事として記載する予定です。

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(追記3 3/3 9:57

一部のリンク表記、及び誤字を修正しました。

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(追記4 3/3 2:09

IOHKの方より連絡をいただきました。

当該連絡中には、本記事で指摘している内容に対する

具体的な反論は特になかったのですが、

関連して幾つか事情を調査した私の理解では、

本文で言及しているIOHKのチャールズ・ホスキンソン氏が

直接的に詐欺などに関わっているという確証はもてませんでした。

その点について注記を追加させていただきます。

株)アンド・ディ

株)アンド・ディ(マーケティングリサーチ会社)代表。大学院卒業後シンクタンク勤務を経て大学教員に。主に政治・経済に関する意思決定支援システムなどを研究。日本初のVoting Assisted Applications(投票支援システム・いわゆるボートマッチ)を開発、他集合知による未来予測ツールなどを開発。現在はマーケティングリサーチにおけるAI応用システムの開発を行ってます。

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