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マッスル美女の第2世代登場に『ビキニ・ダイエット』本まで!! 韓国ダイエット戦争の功罪

慎武宏ライター/スポーツソウル日本版編集長
フィットネス・ブームでダイエットへの取り組みも変わった韓国(写真:ロイター/アフロ)

春も終わり5月になったことで、テレビや雑誌でダイエット特集やフィットネストレーニングを紹介する記事を目にする機会が増えている。もうすぐしたらやって来る夏に向けて、カラダを鍛え少しでもシェイプアップしたいと思う人々を意識しての企画だろうが、それはお隣・韓国でも変わらない。

韓国でも本格的な夏の到来に向けてダイエットに励んでいる人たちは多い。何しろ韓国は“ダイエット王国”と言われるほど、過去にさまざまなダイエット・ノウハウが流行ってきた。“ワンフート・ダイエット”に“皇帝ダイエット”など数えたら枚挙に暇がない。

ちょっと前には、日本でも人気を誇った女性アイドルグループKARAのメンバーも実施していたという“デンマーク国立病院式ダイエット”も流行った。最近は韓国の芸能人たちの間で、“レモン・デトックス”や“解毒ジュース・ダイエット”なるものも流行っているらしい。

ただ、最近は食事制限やダイエット・レシピによる肉体改造よりも、運動やトレーニングで健康的にダイエットしようという気運が高まっている。その流行の申し子たちと言えるのが、前回紹介したフィットネス・タレントたちだ。

整形よりも肉体改造!? “美しすぎるフィットネス・タレント”たちが韓国で大人気のワケ ヤフーニュース個人 2016/05/09

彼女たちが注目されているのは、韓国の人々が食事療法だけでただ痩せるだけのダイエットではなく、体脂肪を減らして筋肉量を増やすほうがより健康的になれるとようやく気づいた裏返しとも言えるかもしれない。

また、近年の“マッスル美女”ブームも無関係ではないだろう。「奇跡のDカップ女神ボディ」ユ・スンオクの登場は、美意識の強い韓国の人々を大いに刺激した。彼女が「ワナビー(Wannabe)・モムメ(肉体)」と言われることからも、それがわかる。

興味深いのはこのユ・スンオクや前回紹介した「完璧ボディのナチュラルビューティー」とされるイェ・ジョンファなどは、すでに“モムチャン(ナイスバディという意味の造語)・スター第1世代”と言われ、早くも“モムチャン・スター第2世代”が登場しているということだ。流行や人気の移り変わりが激しい韓国らしいところでもあるだろう。

そんな“モムチャン・スター第2世代”とされているのが、シム・ウトゥムだ。あのアーノルド・シュワルツェネッガーなども輩出しNABBA(全米アマチュアボディビルディング協会)の韓国支社主催大会などで数々の受賞歴を誇り、“第2のユ・スンオク”と言われている。その肉体美もさることながら、アイドルグループ少女時代のメンバーに似ているルックスと“国宝級のヒップライン”と呼ばれるシルエットから、最近は特に人気急上昇中らしい。

(参考記事:モムチャン・スター第2世代が登場!! “国宝級ヒップライン”のビキニ女神、シム・ウトゥム

そんな人気ぶりを当て込んで、大手新聞社『東亜日報』の出版部門である東亜日報出版社は彼女の著書を早々と発表。そのタイトルは『シム・ウトゥムのビキニ・ダイエット』というのだから、夏を意識したダイエット商戦であることは間違いないだろう。

とはいえ、何よりも大切なことは正しいダイエット方法を紹介することだ。“ダイエット王国”と言える韓国だが、実はトラブルも絶えない。医療訴訟に「ラクして痩せたい」という大衆心理を悪用しての詐欺事件、さらにはテレビ番組のダイエット企画に出演したことがある女性が、無理なダイエットで死亡した事件も起きているのだ。

(参考記事:詐欺に医療訴訟、死亡事件まで!! 韓国で絶えないダイエットトラブルの数々

夏に向けて、韓国でも日本でも過熱さが増していくであろうダイエット熱。健康的で無理のない方法で理想のカラダをぜひ手に入れたいものだ。

ライター/スポーツソウル日本版編集長

1971年4月16日東京都生まれの在日コリアン3世。早稲田大学・大学院スポーツ科学科修了。著書『ヒディンク・コリアの真実』で02年度ミズノ・スポーツライター賞最優秀賞受賞。著書・訳書に『祖国と母国とフットボール』『パク・チソン自伝』『韓流スターたちの真実』など多数。KFA(韓国サッカー協会)、KLPGA(韓国女子プロゴルフ協会)、Kリーグなどの登録メディア。韓国のスポーツ新聞『スポーツソウル』日本版編集長も務めている。

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