イ・ボミ2年連続“賞金女王”の快挙を韓国メディアはどう報じたか
本日2日目を迎える「LPGAツアーチャンピオンシップ・リコーカップ」。日本女子ツアー今季最終戦の注目は、なんと言っても2年連続となる賞金女王に輝いたイ・ボミだろう。その快挙は、韓国メディアも大々的に報じている。
「イ・ボミ、2年連続日本の賞金王確定…アン・ソンジュ以来5年ぶり」(『マニアリポート』)、「2年間で40億ウォン…今年も“ボミちゃん”」(『ソウル経済』)、「“賞金クイーン”イ・ボミ、“次はタイトル独占”」(『アジア経済』)などなど。
『スポーツQ』は「イ・ボミ賞金王、韓米日女子ゴルフ“マネークイーン”地形図は?」と見出しを打ち、「日本では韓国人選手たちが賞金女王の歴史を新たにしている。(中略)2010年からは、2013年の森田理香子を除いて韓国人選手たちの全盛期だ」と紹介した。
実際に、2010~2011年、2014年はアン・ソンジュ、2012年は全美貞、そして2015~2016年はイ・ボミが賞金女王となっているのだから、日本女子ツアーにおける韓国人選手の勢いを強調するのもわかる。
一方で、「イ・ボミ、JLPGAツアー2年連続賞金王確定…2年連続2億円突破は霧散」(『Bridge経済』)とちょっぴり物足りなさを指摘するメディアも。2年連続賞金王の快挙を讃えつつも、「イ・ボミが最後の大会で優勝して優勝賞金2500万円を獲得しても、昨年に続く2億円突破は難しくなった」と昨季との違いを指摘した。
イ・ボミに対する報道は、日本に比べると、韓国のほうが辛口な印象がある。イ・ボミが春にアメリカ挑戦した際も「得るものはなかった」などと報じる韓国メディアがあったほど。日本では人気NO.1と言っても過言ではないイ・ボミだが、韓国では若干事情が異なるのだ。
(参考記事:ゴルフ女王イ・ボミは韓国でも人気1位なのか)
(参考記事:韓国女子プロが選んだ“禁断”の美女ゴルファーランキング。イ・ボミの順位は?)
とはいえ、『スポーツ東亜』の「2年連続賞金王イ・ボミ“私はまだトップではない”」という記事では、シーズン中盤から後半に若干失速したイ・ボミが再び調子を取り戻せたターニングポインを「疲れ果てていたイ・ボミに再び力を吹き込んでくれたのは“肯定”、そしてチョ・ボムスコーチが渡したあるインタビュー記事だった」と詳しく分析している。
同記事ではまず、「(イ・ボミは)自らをトップではなく、トップを目指す選手と謙遜することで、いち早く自分を取り戻した」とし、イ・ボミのこんな言葉を紹介した。
「私はまだトップではありません。世界ランキング15位の選手です。まだまだもっと上がらないといけないし、成長できると信じました。そうやって思うと心が楽になり、再び優勝することができました」
また、チョ・ボムスコーチが渡したインタビュー記事とは、台湾のヤニ・ツェン選手のインタビュー記事だったという。
ヤニ・ツェンは、2011年から2013年にかけて109週連続で世界ランキング1位を保持した選手。しかし現在は、なんとか100位に入るという成績だ。そんな彼女が去る9月、とあるインタビューで「世界ランキング1位の座は逃したら割れそうなガラスのトロフィーだった」と話していた。
『スポーツ東亜』はこのインタビュー記事が「イ・ボミにもう一度自分を振り返らせ、決意させるきっかけになった」と報じている。その報道通りであれば、気さくで謙虚なチョ・ボムスコーチらしい素晴らしいアシストだろう。
早くも来年について触れるメディアもあった。「“2年連続、日本ゴルフ平定”イ・ボミ、“来年はまた別の負担”」(『OSEN』)、「イ・ボミ、2年連続賞金王“来年の目標は何がいいかな?”」(『NEWSIS』)などだ。
ただ来季についてはイ・ボミ本人が「来年はまた別の負担です。どんな目標を立てるか悩ましいですが、今は少し休みたい」と話しているように、まだしっかりと固まってはいないようだ。
それでも考えはある程度あるようで、イ・ボミは最近、韓国メディアに「平均ストローク60台」などと具体的かつ長期的な“これからの目標”を語っている。また、「生まれ変わったらゴルフはしない」ということも韓国メディアに語っている。
韓国人選手たちにとってみれば、イ・ボミは最高の“成功例”だろう。
彼女に続けといわんばかりに、今季はキム・ハヌルの健闘が目立った。また、イ・ボミの背中を追って、韓国ゴルフ界の“超絶セクシークイーン”アン・シネや、“8頭身美女ゴルファー”ユン・チェヨンらが日本ツアー進出を虎視眈々と狙っているというのだから、ますます楽しみが広がる。
いずれにしても、イ・ボミが成し遂げた快挙の影響は大きい。女王が今季の最終戦「リコーカップ」でどんなプレーを見せるか、注目したい。