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カトパンにも負けていない!!タレント化が進む韓国のスポーツ女子アナたち

慎武宏ライター/スポーツソウル日本版編集長
イ・デホにインタビューする韓国の女子アナ(写真提供:SPORTS KOREA)

気のせいだろうか、先週あたりから人気女性アナウンサーの“カトパン”こと加藤綾子のグラビア企画を目にする機会が多い気がする。週刊誌や漫画誌などで、カトパンの艶やかな姿を目にした方も多いのではないだろうか。フリーになったとはいえ、アナウンサーがグラビアを飾ることは決して多くはないだけに巷では話題にもなっている。

韓国でも雑誌グラビアを飾って話題になった女性アナがいる。国営KBSのスポーツ専門チャンネル『KBS Nスポーツ』の元局アナだったチョン・イニョンだ。

彼女が表紙とグラビアを飾った男性誌は完売した伝説もあるほどだ。現在は独立してフリーアナとなり、タレント活動もしている彼女は、言わば“韓国のカトパン”と言っても遜色ないだろう。

ちなみに彼女が表紙とグラビアを飾った男性誌『MAXIM KOREA』は今月号でもスポーツ専門チャンネル『SBS SPORTS』で活躍し、“次世代スポーツ女神”と呼ばれるホン・ジェギョンをグラビアに起用。「タイトなワンピースで明らかになった“黄金の骨盤”」(『デイリーアン』)などと韓国のメディア各紙で報じられた。

このように韓国でも女子アナ、特にスポーツ女子アナたちが雑誌グラビアで人気なのだが、数年前までなら考えられなかったことでもある。

というのも、韓国で女子アナといえば「品行方正のキャリアウーマン」とイメージが強く、かつてはセミショートの髪型でニュースや教養番組の進行を務めるのが主な仕事だった。

プライベートを公開したり、グラビアを飾るなどはもってのほか。かつて地上波3局(KBS、MBC、SBS)の若手女子アナがとある雑誌のグラビアを飾ったときには、「放送人として品位がない」として波紋を呼び、ちょっとした社会問題になったこともある。事態の収拾のために該当雑誌社と各テレビ局が謝罪したほどだった。

(参考記事:人気スポーツ選手も思わず恋に落ちてしまう韓国女子アナ事情)

だが、近年は状況一変。日本同様にバラエティ番組やスポーツ番組を彩る女子アナが増え、個人プログを開設する女子アナや、マニアが集まるファンサイトも増えている。韓国でも女子アナのタレント化が進んでいるのだ。

カトパンのグラビアは最近発表された著書のプロモーションも兼ねているようだが、韓国でも“野球女神”の愛称で知られるユン・テジンが写真集を発表したこともあった。それも撮影したのは、韓国で今、もっとも勢いのあるクリエイターされる“Rotta”ということもあって話題にもなった。

ただ、誰もが女性アナウンサーになれるわけではない。

近年はケーブルテレ局のチャンネルが増えて、各チャンネルごとに独自にアナウンサーを採用しているため、その採用枠は増えていると言われるが、例えば前出のチョン・イニョンが最初に入社した『KBS Nスポーツ』の場合、公募すると800人を超える応募があり、その中から選ばれるのは毎年3~5人ほどだという。

地上波テレビ局のアナウンサーの競争倍率はもっと厳しく、「100倍」とも「1000倍」とも言われるほど。実際、“韓国の笹川友理”とも言われる若手人気アナのチャン・イェウォンは、190倍の倍率を勝ち抜いて民放地上波SBSの女子アナになったことで有名だ。

それでも韓国では女子アナ希望者が絶えず、人気も高い。

最近は新設間もないケーブルチャンネル『SPOTV』のヤン・ハナが何かと話題。彼女はこの夏、“才色兼備の美肌ピラティスト”として大ブレイクしたヤン・ジョンウォンの実の姉だったことが明らかになり、他局の番組、それも地上波の人気バラエティ番組にレギュラー出演するまでにステップアップしている。

(参考記事:美貌とスタイルは妹にも負けていない!? 女子アナのヤン・ハンナが話題)

まさしくカトパンに負けず劣らない韓国の女子アナ人気。国は違えど女性アナウンサーへの憧れと好感度は、日本ともあまり大差ないようだ。

ライター/スポーツソウル日本版編集長

1971年4月16日東京都生まれの在日コリアン3世。早稲田大学・大学院スポーツ科学科修了。著書『ヒディンク・コリアの真実』で02年度ミズノ・スポーツライター賞最優秀賞受賞。著書・訳書に『祖国と母国とフットボール』『パク・チソン自伝』『韓流スターたちの真実』など多数。KFA(韓国サッカー協会)、KLPGA(韓国女子プロゴルフ協会)、Kリーグなどの登録メディア。韓国のスポーツ新聞『スポーツソウル』日本版編集長も務めている。

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