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「黒子のバスケ」脅迫事件のその後の経緯

篠田博之月刊『創』編集長

昨日、「黒子のバスケ」脅迫犯から2通目の手紙が届いたことを書いたが、その後の動きをお伝えしよう。昨日紹介した手紙はその後新聞社やNHKにも届き、その報道が始まっている。

それと、これは大事なことだが、最初の手紙で犯人が「朝鮮状 新日本出版の阿呆どもへ」という脅迫文を書いていたのを紹介し、ネットで「なぜ新日本出版なのか」と議論になっているが、調べてみたら、これはどうも犯人の勘違いらしい。犯人は『月刊バスケットボール』が表紙に「黒子のバスケ」を大々的に取り上げていたことに怒ったのだが、『月刊バスケットボール』は新日本出版ではなくて日本文化出版が発売元だ。

犯人の「怪人801面相」さん、脅迫状は出す前に誤りがないかしっかり確認しないといけません。『創』もよく誤植が多いと言われるから他人のことは言えないが。

さて昨日紹介した2通目の手紙に同封されていた「これが届いた新聞へ」という犯行声明がきょうになって大手マスコミの知るところとなったのは、宛先がNHKとかになっていて部署名がないため、仕分けをして社会部の警視庁担当にまでおりてくるのに半日かかっているらしい。創出版は小さな会社なので配達と同時に私の知るところとなったわけだ。

この2通目の声明文で、犯人が毒入り菓子を置いたというセブンイレブンの店名は多くのマスコミが知るところとなった。警察ももちろん捜査にかかったが、まだ毒物は確認されていないらしい。これが発見されるかどうかでこの事件は、大きな社会的事件に発展する可能性があるのだが、警察もどのタイミングでどこまで公表するか判断が難しいところだろう。

大手マスコミに届いたのは昨日公開した「これが届いた新聞へ」という文書だが、犯人はそれ以外の文書もまとめて『創』に送ってきている。もうひとつは「『創』の篠田編集長へ」という文書だが、実はもうひとつセブンイレブン宛の文書もある。マスコミにはこれが届いていないため、多くの社からそれをもらえないかという問い合わせが来ている、私も忙しくて個別対応が大変なので、ここに公開してしまうことにする。セブンイレブン宛には本部と、該当の店舗宛とこれもふたつの文書がある。ここに掲載するのは本部宛だ。

一部を略したのは、社会的影響を考慮してだが、マスコミ宛ての文書で省略した部分と同じ内容である。警察とセブンイレブンの対応はやや後手に回っている印象は否めないが、

この事件、報道に当たっていろいろな配慮が必要なことは言うまでもない。

セブンイレブンの阿呆どもへ

お前ら舐め臭っとるのか  わしらは命懸けで藤巻をいびっとんのや  わしはちゃんと毒入りの菓子を置いてきたったで  店を教えたる  ●●店や  既に客に売ってもうたはずはないで  「毒入り危険 食べたら死ぬで」の紙は商品の裏側のバーコードのところに貼っとる  どんな間抜け店員やろうと支那朝鮮の反日留学生店員やろうとレジ打ちの時に気づくはずや  どうせまたすぐ出すつもりやろ  せやから回収せんと各店の従業員室にまとめて引っ込めとるだけやろ  うっかりの可能性もあるから店長にちゃんと調べ直させろや  客足が遠のくのを恐れてオーナー店長が隠蔽した可能性もあるわな  実はわしは店の前で記念写真を撮っておるんや  それなりに証拠能力のある写真やで  もしもお前らが隠蔽を続けるのならそれをネット上で公開する  確かグリコ法だと小売側も通報義務があるはずだわな  確かにお前らは被害者やが客足が遠のくことを恐れて重大な事件発生をしてたとなったら大変やで  今なら「チェックのときに見落としました。断じて故意ではありません。えらいすんません」で済むわな  わしの暴露から発覚したら社長が謝罪記者会見を開く破目になるで  とにかくわしは口先だけの奴らとは違うんや  お前らの態度にほんまに腹が立ったわ  (略)   とにかく黒子関連の商品を売るんやない

黒子屠殺委員会代表代行 怪人801面相

月刊『創』編集長

月刊『創』編集長・篠田博之1951年茨城県生まれ。一橋大卒。1981年より月刊『創』(つくる)編集長。82年に創出版を設立、現在、代表も兼務。東京新聞にコラム「週刊誌を読む」を十数年にわたり連載。北海道新聞、中国新聞などにも転載されている。日本ペンクラブ言論表現委員会副委員長。東京経済大学大学院講師。著書は『増補版 ドキュメント死刑囚』(ちくま新書)、『生涯編集者』(創出版)他共著多数。専門はメディア批評だが、宮崎勤死刑囚(既に執行)と12年間関わり、和歌山カレー事件の林眞須美死刑囚とも10年以上にわたり接触。その他、元オウム麻原教祖の三女など、多くの事件当事者の手記を『創』に掲載してきた。

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