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スマホを悪者にしたい読売新聞。70%が「変わらない」と回答しているのに「読書時間減る」と結論

篠原修司ITジャーナリスト/炎上解説やデマ訂正が専門

読売新聞が読書に関する全国世論調査(面接方式)を行った結果を発表しているのですが、70%が「変わらない」と回答しているのに「読書時間減る」と結論付けています。

スマホ使うほど読書時間減る傾向…読売世論調査 : 文化 : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)(2013/10/20)

調査では“スマホを使うようになって読書時間が変わったかどうか”を聞いており、その結果、“「変わらない」が70%で最も多く、「減った」が17%、「増えた」が4%。「本を読まない」は8%だった”そうです。

「変わらない」が70%で、「減った」が17%なのに、スマホを使うほど読書時間が減る?

それはどう考えてもおかしいでしょ。何かスマホに恨みでもあるんですか? スマホのせいで新聞が読まれなくなったとか。

趣味Aに費やす時間が増えれば趣味Bへの時間が減るのは当たり前

そもそも、そもそもですよ。なにか特定の趣味に費やす時間が増えれば、その分ほかの趣味への時間が減るのは当たり前じゃないですか。1日は24時間しかないんです。

オジサンたちにウケの良い野球少年は、読書の時間も勉強の時間もほかの子と比べて少ないです。だって野球に打ち込んでるんだもの。読書も勉強もやってる暇がありません。

読売新聞側としては記事で“スマホを使う時間別にみると、1日平均30分未満の人では読書時間が「減った」人は10%だったが、30分~1時間未満では14%、1時間以上では27%となった”と書いてあるので、「スマホを使うほど読書時間が減る」のは間違ってないと主張したいのかもしれませんが、さきほども言ったとおり1日は24時間しかありません。

このレベルで話をするのであれば、「友達と遊ぶ機会が多い子ほど読書時間減る」「家族と話す時間が多い子ほど読書時間減る」「睡眠を多く取る子ほど読書時間減る」なんてことがいくらでも書けるわけです。

読売新聞は「スマホばっかりしてないで本を読め」なんて言われる子を増やしてどうしたいんでしょうねぇ。

ITジャーナリスト/炎上解説やデマ訂正が専門

1983年生まれ。福岡県在住。2007年よりフリーランスのライターとして活動中。スマホ、ネットの話題や炎上などが専門。ファクトチェック団体『インファクト』編集員としてデマの検証も行っています。最近はYouTubeでの活動も。執筆や取材の依頼は digimaganet@gmail.com まで

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