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50%から35%へ減額。LINEクリエイターズスタンプ報酬変更の衝撃!

篠原修司ITジャーナリスト/炎上解説やデマ訂正が専門
LINE Creators Marketのトップページ。

LINE株式会社は12月26日、自作のスタンプを『LINE』で販売できる「LINEクリエイターズスタンプ」の制度変更と今後の取り組みを発表しました。

スタンプの審査・販売状況改善に向けた今後の当社の取り組みおよび制度変更について

そのなかでも大きな変更が、クリエイターズスタンプ報酬の分配率変更です。

売上総額の50%から35%へ減額

発表では「収益の分配率が変更」とオブラートに包まれていますが、中身をよく読むと「収益の分配率を50%から35%に減額する」と書かれています。

これまで売上総額の50%をクリエイター(作者)が、30%をApple or Google Playが、そして残りの20%をLINEが受け取っていましたが、これがApple or Google Playが30%、クリエイターとLINEがそれぞれ35%ずつ受け取るかたちに変更されます。

LINEとクリエイターだけの関係で見れば(手数料を除いたかたちで)これまで通り50%であることに代わりはありませんが、結果的には減額となってしまいます。

「LINEクリエイターズスタンプを作ってボロ儲け!」と皮算用をしていた人には痛手ですね。

分配金の増収分で審査期間の短縮、カテゴリの追加が行われる

この変更によりLINEはこれまでよりも15%多く売上があがることになるのですが、LINEはその増収分を「審査スタッフの追加拡充およびカテゴリ追加・審査期間短縮などに必要なシステム開発・運営費用に充当する」と発表しています。

具体的には、増え続けるクリエイターズスタンプを探しやすくなるようスタンプショップ内にカテゴリ機能を追加し、埋もれがちなスタンプを積極的に特集でピックアップしていくとのことです。

また、要望の多い「審査期間の短縮化」については審査スタッフの大幅拡充、大量のスタンプ登録データを迅速に処理できるようシステム面の改修を行い、販売開始までの期間が大幅に短縮化される見込みともあります。

つまり、ユーザーの受け取る報酬は減ってしまいますが、その分を別のかたちでユーザーに還元していることになります。

申請数の抑制が狙いか?

ただ、ボクは今回の制度変更にはスタンプの申請数を減少させる狙いがあるのではと睨んでいます。

クリエイターズスタンプは同一ユーザーによる重複購入がほとんど起きないため、上位を維持していた人気スタンプでも徐々に売れなくなり、代わりに別のスタンプが浮上してきます。

ようするにずっとブルーオーシャン!!!

ただ、美味しい漁場があればそこに漁師が群がってくるのは必然的であり、LINEにはかなりの数のスタンプが申請されていると予想されます。週アスPLUSの記事によると、現在は申請から承認までに2ヶ月から7ヶ月程度かかっているそうです。

承認までは、リジェクトあった場合も含めて大体2ヵ月~遅くて7ヵ月程度(クリエーターズスタンプのサービス開始後すぐに申請!?)かかっているようです。

審査が差し戻されるリジェクトは、販売基準が満たされてないということで当然スタンプ側に問題があるのですが、それでも審査に数ヵ月かかった上でリジェクトに複数かかると、えんえんと承認されず悲しみの声がきかれます。

出典:クリエイターズスタンプの審査の遅さに不満→LINE「最優先改善事項」 - 週アスPLUS

今回の分配率の変更によって、報酬を第一目的としたスタンプの申請が減ることは間違いありません。申請数が減れば審査対象となるスタンプの数が減り、結果としてそれは審査期間の短縮に繋がります。

お金儲けは悪いことではありませんが、「1万円の報酬でLINE用スタンプ40個作って!」なんてアホみたいな話が減ると世の中が少し住みやすくなりますね!

なお、分配率の変更が適用されるのは2月1日から申請を行ったスタンプとのことです。50%の料率で受け取りたい方は、1月31日までに審査申請をすませておくことをオススメします。

ITジャーナリスト/炎上解説やデマ訂正が専門

1983年生まれ。福岡県在住。2007年よりフリーランスのライターとして活動中。スマホ、ネットの話題や炎上などが専門。ファクトチェック団体『インファクト』編集員としてデマの検証も行っています。最近はYouTubeでの活動も。執筆や取材の依頼は digimaganet@gmail.com まで

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