Twitterでおわる人生。匿名で安心のはずが実名バレ、会社を退職するハメに

暴言ツイートに対する謝罪を行う新潟日報元部長の匿名アカウント。筆者キャプチャ

今月に入って『Twitter』での暴言ツイートが問題となり、会社を退職、もしくは処分される事件が3件発生しました。とくに新潟日報上越支社の元部長の件については、NHKなどでも報道されたためご存じの人も多いでしょう。

新潟日報部長 暴言投稿で処分(2015年11月27日(金)掲載) - Yahoo!ニュース

暴言繰り返し投稿 新潟日報元部長 無期限休職に NHKニュース

なぜこうしたことが起きたのか? そして防ぐにはどうしたら良いのか? 事件を振り返りながら紹介していきます。

1.個人情報をリスト化して晒したセキュリティ会社社員

まず今月始めに起きたのが「ぱよぱよちーん事件(名称の理由は後述)」こと、旧しばき隊、現C.R.A.C.に所属し「反安倍 闇のあざらし隊」を名乗るアカウント、@MetalGodTokyo氏による個人情報の晒しあげ事件です。

11月1日、@MetalGodTokyo氏は「そうだ難民しよう」のヘイトイラストで問題となったはすみとしこ氏の、『Facebook』での投稿に賛同した人たちのFacebook上の個人情報をリスト化したものを晒す行為に出ました。

これが「個人情報保護法違反ではないか」と指摘されて炎上し、最終的に@MetalGodTokyo氏自身が公開していた学歴などの個人情報と、過去にほかの人物とやり取りしていたツイートからセキュリティ会社の社員であることが判明します。

また、過去のツイートから特定の女性に対して「ぱよぱよちーん」とのツイートを集中的に送っていることも分かり、これがもとで本件は「ぱよぱよちーん事件」と呼ばれるようになりました。

その後、抗議はセキュリティ会社にも及び、@MetalGodTokyo氏は本人の意思で会社を退職したことが発表されました。

2.母親のブログから身元判明したしばき隊の中心人物

次に起きたのが、しばき隊の中心人物として知られる@bcxxx氏の身元バレ事件です。彼の母親である共産党市議が、「息子が原発撤退デモを主催して頑張っている」とブログに書いたことから身元が判明しました。

@bcxxx氏は、しばき隊の一員として在特会などのメンバーに対して過激なツイートをしており、なかには「(暴行され顔面骨折を追った男性に)骨折悪化しろ」や「(反安保デモの参加人数は主催者発表より警察発表が近いと発言した社会学者の古市憲寿氏に)ほんと早く死なねーかな」といったものもありました。

身元がバレた結果、会社に迷惑がかかるという理由から本人の意思で会社を退職することが発表されました。

3.2ちゃんねるの書き込みで実名を暴露された元報道部長

最後が先日起きた新潟日報上越支社の元部長の暴言ツイートです。彼は「壇宿六(闇のキャンディーズ)」を名乗るアカウント(@sadmaz6)にて、新潟県弁護士会の高島章弁護士に対して暴言ツイートを繰り返していました。

報道では「仕事のストレスやアルコールを呑んでいたせい」とありましたが、実際は過去に高島弁護士がしばき隊の活動や発言について疑問を唱えたことから攻撃が始まり、暴言ツイートはその延長でなされたものです。

@sadmaz6氏の身元は分からないままでしたが、掲示板『2ちゃんねる』に「しばき隊闇のキャンディーズは新潟日報営業部長」との書き込みがあり、その情報をもとに高島弁護士が問い合わせた結果、件の営業部長は@sadmaz6氏は自分自身であると認めることとなりました。

事件を受け、新潟日報は@sadmaz6氏に対して無期限休職の処分を下しています。なお、問題の2ちゃんねるの書き込みを誰が行ったかは分かっていません。

反レイシストをめぐる活動が原因?

いずれの案件も、『レイシストをしばき隊(しばき隊)』やその後継団体である『C.R.A.C.(Counter-Racist Action Collective)』における活動が炎上や抗議の原因となっています。

しかし、だからといって反レイシスト活動が悪いわけではありません。問題は、「レイシストに対しては過激な行動をしても良い」という考えと行動です。

こうした考えが生まれた理由は在特会やネット右翼などのレイシスト側が過激な行動・発言を行っているからですが、「泥棒からは物を盗んでも良い」わけではありませんし、「殺人犯は殺しても良い」わけでもありません。

また、彼らはレイシストに対する怒りを、その当人ではない人たちへ向けたことも問題でした。つまり、少しでも敵の味方をした人や、自分の活動に異論を唱えた人たち全てを敵と認定し、本来ならレイシストへ向けるべき怒りをその人たちに向けてしまったのです。

レイシストとして過激な発言を行ってない人に対してそのような怒りを向けてしまうと、(ほかの人はレイシストの発言内容を知らないため)どうしてもその対応の差が目立ってしまいます。

こうしたことを起こさないためには、実名・匿名にかぎらず、自分の思想信条に反対の考えを持つ人物に対しても、常識の範囲内での対応を取る方が良いでしょう。相手の発言がひどい場合はスルーする手もあります。

SNSで匿名を保つのは難しい

さらに気をつけるべき点は、TwitterやFacebookを利用していては匿名を保つのは難しいということです。

あまりにも過激な発言をした場合は、発信者情報の開示請求により米Twitter社や米Facebook社からIPアドレスなどの接続情報を相手に入手される可能性があります。そこから、プロバイダに対して同様に請求すれば個人情報が分かってしまいます。

また、SNSを利用して活動を行うことは、どこかで人と繋がるということです。インターネット上は匿名でも、リアルで人と会えばその分身元が広まります。今回の3件は、いずれも知人(と思われる)人物から情報を漏らされたことが身元バレの原因となっています。

自分は匿名のつもりでも、あなたを知っている人がいつどこで故意や過失により情報を漏らしてしまうか分かりません。ネットでは昔から言われていますが、親にバレたら恥ずかしいと思うような発言や行動をしないようにしましょう。それがネット社会でうまく生きていくコツです。