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【速報】「イスラム国との交渉可能」ジャーナリストの常岡浩介氏が表明-日本人人質解放へ協力の意向

志葉玲フリージャーナリスト(環境、人権、戦争と平和)
イスラム国が公開した映像から。交渉期限が迫っている。 
イスラム国が公開した映像から。交渉期限が迫っている。 

イスラム国(ISIS)が日本人2名を人質にとっている問題で、日本では数少ないイスラム国との直接の人脈を持つジャーナリストの常岡浩介氏が、自身のSNSで「交渉人として認めてくれれば、私たちは湯川さん、後藤さんの解放をイスラム国に直接、訴えることができます」との意向を示した。日本政府は、現時点ではイスラム国との直接の接触はできておらず、今日21日の会見でも、菅義偉官房長官は「日本の支援が人道目的でありイスラム教徒を殺害することではないというメッセージを、あらゆる外交ルートを使って送ろうとしている」と述べている。ISISが交渉期限とする72時間が何時であるかは不明だが、映像の公開時からとすると、期限は23日午後と観られる。時間が迫っている中、政府は常岡浩介氏、

中田考氏に一刻も早く協力を依頼するべきではないか。

以下、常岡氏がSNSで公開した意志表明の全文。

先ほど、帰宅いたしました。

警視庁公安外事三課に対して、私戦予備陰謀事件というでっち上げの違法捜査には協力しないと申しましたが、邦人の人命救助のためなら外務省にも、警察にも喜んで協力します。

私とハサン中田考先生はイスラム国と交渉が出来ます。が、イスラム国側の連絡先情報を警察がおさえた今、盗聴、発信元探知などで相手方に危険が及ぶ可能性があり、現地に連絡を試みることができていません。

日本政府がオマル・グラバ司令官の身柄の安全を保証し、私とハサン先生を交渉人として認めてくれれば、私たちは湯川さん、後藤さんの解放をイスラム国に直接、訴えることができます。日本の拠出する2億ドルはあくまで人道支援目的に限定されたもので、イスラム国を軍事攻撃するためのものではないと説明できます。さらに、イスラム国側が安倍総理の対中東政策をもって、日本人人質を処刑するのは不当、不適切だと説明します。

オマル・グラバ司令官の説明では、去年の8月から10月にかけて、イスラム国は湯川さんを処刑したり、身代金を要求する意志がないことを明言していました。今回、その方針が変わった理由を問い質します。

現時点で、外務省からも、警察からも、連絡などは一切ありません。日本政府が独自にイスラム国と交渉し、人質を解放させられる見通しと自信があるのなら、問題ないと思いますが、そうでないとしたら、なぜ、連絡がないのか、首を傾げます。

*オマル・グラバ司令官とは、常岡氏が直接の面識を持つISISの構成員。

フリージャーナリスト(環境、人権、戦争と平和)

パレスチナやイラク、ウクライナなどの紛争地での現地取材のほか、脱原発・温暖化対策の取材、入管による在日外国人への人権侵害etcも取材、幅広く活動するジャーナリスト。週刊誌や新聞、通信社などに写真や記事、テレビ局に映像を提供。著書に『ウクライナ危機から問う日本と世界の平和 戦場ジャーナリストの提言』(あけび書房)、『難民鎖国ニッポン』、『13歳からの環境問題』(かもがわ出版)、『たたかう!ジャーナリスト宣言』(社会批評社)、共著に共編著に『イラク戦争を知らない君たちへ』(あけび書房)、『原発依存国家』(扶桑社新書)など。

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