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憲法学者の小林節氏「日本は法治国家ではなくなった」―元自民指南役、安倍政権を猛批判

志葉玲フリージャーナリスト(環境、人権、戦争と平和)
講演する小林氏。 撮影:藍沙

「安保法制は戦争法制」だとして、その廃止を求める憲法学者の小林節・慶応大学名誉教授は、8日、東京都日野市での講演で、「日本は法治国家でなくなった」と安倍政権を厳しく批判した。

小林氏は講演で「最近は、日本のマスコミからはほとんど取材依頼が来なくなった。欧米メディアや中東のメディアからの取材はいくつも受けているが、彼らは皆、『日本は、法治国家ではなく、人治国家になってしまったのでしょうか?』と聞いてくる」と明かし、「残念ながらそうだ、と答えざるを得ない。法治国家とは、法律にしたがって物事が動く国であり、権力トップが誰に変わっても、法律に従うという自体は変わらない、という点で安心感がある。ところが、安倍首相は、憲法違反の戦争法制(=安保法制)を押し通す。トップの意向で法律が好き勝手に解釈され、捻じ曲げられるなら、それは法治国家ではない」と、安倍政権を痛烈に批判した。

小林氏は「改憲派」の憲法学者として、自民党と憲法論議を重ねてきた。安倍首相とも直接会い、論議したことがあるという。「安倍さんとも、さんざん話して、やはり憲法を変えないと集団的自衛権の行使は無理だ、という結論に至った。そもそも、これまでの自民党の憲法解釈でも、集団的自衛権の行使は憲法上、不可能というものだった」と、これまでの憲法論議をなし崩しにして、集団的自衛権の行使を盛り込んだ安保法制を強行採決した安倍政権の矛盾を指摘した。

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小林氏の講演は、安保法制を廃止すべく結成された、日野市在住の超党派の政党関係者や市民による「日野市民連合」の結成集会の一環として行われた。民進党の小川敏夫参議院議員、大河原雅子前参議院議員、共産党の吉良佳子参議院議員、社民党の増山れな政策審議委員が参加。小林氏の講演のあと、それぞれスピーチを行い、最後は全員がつないだ手を掲げ、「安保法制廃止」の決意を示した。

(了)

フリージャーナリスト(環境、人権、戦争と平和)

パレスチナやイラク、ウクライナなどの紛争地での現地取材のほか、脱原発・温暖化対策の取材、入管による在日外国人への人権侵害etcも取材、幅広く活動するジャーナリスト。週刊誌や新聞、通信社などに写真や記事、テレビ局に映像を提供。著書に『ウクライナ危機から問う日本と世界の平和 戦場ジャーナリストの提言』(あけび書房)、『難民鎖国ニッポン』、『13歳からの環境問題』(かもがわ出版)、『たたかう!ジャーナリスト宣言』(社会批評社)、共著に共編著に『イラク戦争を知らない君たちへ』(あけび書房)、『原発依存国家』(扶桑社新書)など。

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