「サッカー史上、最高の男」の物語
1375ゲームに出場し、1283得点を挙げたサッカー史上最高の男、ペレ。
ワールドカップで優勝すること3度。彼の存在が無ければ、ブラジルサッカーは、ここまで傑出したものにはならなかったであろう。背番号10に誰もが憧れるようになったのも、ペレがいたからこそだ。
そんな「ペレ物語」が映画化され、本日より公開される。『ペレ 伝説の誕生』。
本人もちょっと出演しているが、役者たちの演技で制作されている。それも、ブラジルの母国語であるポルトガル語ではなく、英語で。
ボールもスパイクも買えず、スラムを裸足で走り回っていた少年、ペレ。元選手だった父は、大成できず、誰もが嫌がる仕事に就き、糊口を凌いでいた。ペレもその仕事を手伝うことがあったーーー。
無論、ペレは天賦の才に恵まれていたであろう。が、この作品を目にした折、ペレは才能以上に「もう、こんな暮らしを続けたくない」との思いでボールを蹴り続けていたであろう、と感じた。それこそが、ペレの原動力であったに違いない。
因みにブラジル代表の監督役に抜擢された俳優は、ヴィンセント・ドノフリオ。「Law & Order クリミナル・インテント」で観て以来、彼の演技にはハマっていた。
心に響く作品に仕上がっている。サッカーファンなら、是非、ご覧になることをお薦めする。
栄光の裏にある「孤独」そして、「もがき」が伝わって来る良質の映画だと思う。