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大型台風18号~首都圏直撃のおそれ高まる~

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

台風18号は大型の台風へ

台風18号は、海水温が約30℃もある日本の南海上で顕著な発達傾向を示しながら北上中です。

雲の様子をみても、台風に伴う渦巻きが昨日よりも大きくなり、しかもしっかりと巻き込んできた様子が分かります。

台風18号の雲の様子
台風18号の雲の様子

これは台風の中心付近に向かう風が強まり、台風としての構造がより明確になってきた証です。気象庁の解析によると、きょう14日(土)午前9時発表の時点から風速15メートル以上の強風域の直径が1000キロメートル以上となり、大型の台風に発達してきました。

また、中心付近の最大風速は25メートルで、まだ暴風域は伴っていませんが、今後更に発達し、暴風域を持つ大型の台風として日本列島に接近してくる見込みです。

今年、日本列島(本土)に近づく台風はこれで5個目となりますが、この台風18号が今年初めての本格的な台風の襲来となります。

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東海~関東に上陸のおそれ高まる

現在、台風は日本の南にある太平洋高気圧の南端に沿って西進傾向を示していますが、今後太平洋高気圧が小笠原方面へ退くため、台風が北上する道が開け、しかも、日本付近に南下してくる偏西風帯に乗って北東方向へ進む見通しです。

これまでの予想より、台風はやや西寄りに大回りしながら時間をかけて北上してくるため、より発達する可能性が高まってきました。しかも西寄りに進んだ分だけ、紀伊半島~関東の沿岸に上陸するおそれも高まってきています。

日本の他、諸外国のコンピュータ予想でも、東海~関東付近を台風が進む予想でほぼ一致しています。

けさ9時に発表された予報円の中心を進むと、台風はあさって16日(月)敬老の日の午前9時には静岡県の沿岸付近まで進み、この時点での中心気圧は975hPa、最大瞬間風速は40メートルと予想されています。また、北北東へ時速30キロで進んでいる予想ですが、このあと速度を早めながら、ちょうどお昼頃に首都圏付近を通過する予想です。

上空の流れから、南の海上へ大きくそれるようなコースは考えづらく、仮に南よりに進んだとしても、房総半島をかすめるようなコースとなりそうです。

台風の接近前から大雨に厳重警戒

台風が直撃するのはあさって16日(月)となりそうですが、台風の前面に活発な前線が発生するため、あすから関東~四国にかけては大雨が始まり、南や南東に向いた斜面では1時間に80ミリ以上の猛烈な雨が降り出すおそれがあります。

その後、あさってにかけてのトータルの雨量は、200ミリ~300ミリ、あるいはそれ以上との計算も出ています。(これは気象庁の発表ではありません。)

台風のコースによっては東北地方でもこれに匹敵するような大雨となるおそれがあります。今回の台風はほぼ間違いなく、広い範囲にかなりの大雨をもたらすと思われますので、土砂災害や河川のはん濫などには、厳重な警戒が必要です。

更に、暴風域を伴って上陸するおそれも高く、沿岸部を中心に、最大瞬間風速は30メートル~40メートルに達するおそれがあります。暴風にも十分な警戒が必要です。

今回の台風18号は今年初めの本格的な台風の襲来です。

まだ天候の荒れていない早い段階から、飛ばされやすいものの確認など、早めの対策を取って頂きたいと思います。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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