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19日は十五夜~今年はお月見日和~

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

中秋無月・雨名月

9月19日(木)は、旧暦の8月15日にあたり、十五夜、中秋の名月となります。

お団子を食べながらお月見をするという方も多いかと思いますが、この「中秋の名月」は、よく「中秋無月・雨名月」とも言われます。それは、今の時期がちょうど秋雨や台風の時期にあたり、名月が雲に隠れてしまうことが多いため、そのように呼ばれているんです。では、本当にそうなのか?過去5年分の名月当日の天気図と雲の様子をご覧下さい。

2012年の十五夜
2012年の十五夜
2011年の十五夜
2011年の十五夜
2010年の十五夜
2010年の十五夜
2009年の十五夜
2009年の十五夜
2008年の十五夜
2008年の十五夜

たしかに、過去5年間をみても、秋雨前線や台風の影響を受けている年が多く、ある地域ではよく見えていても、全国的に天気に恵まれることはあまりありません。東京に関して言うと、十五夜の夜によく晴れる確率は大体3割程度で、3年に1度くらいしかきれいな名月を眺められない計算となります。

今年は名月日和

しかし、今年は全国的にきれいな名月に出会えるレアな年となるかもしれません。

あす19日(木)午後9時の予想天気図と18時~21時に予想される天気分布をご覧下さい。

十五夜の予想天気図
十五夜の予想天気図
十五夜の天気分布
十五夜の天気分布

日本付近は大きな移動性の高気圧にすっぽりと覆われる予想です。このため、本州付近は多くの所で晴天となり、お月見日和となる所が多いでしょう。ただ、高気圧の中心は三陸沖に抜けるので、北日本は高気圧の後面流でやや雲が広がりやすく、沖縄は台風19号の湿った空気の影響で、変わりやすい天気となりそうです。

今年はまさに名月中の名月

ところで、旧暦8月15日の丸い月を中秋の名月と呼びますが、この日が満月になるとは限りません。むしろ満月となる年の方が少ないくらいです。これは説明するのに少々難しいところがあるのですが、月齢の進み方や月の楕円軌道などが影響しています。なので、満月となる日は旧暦8月15日の前後の日にずれることがよくあるのです(特にうしろに)。

しかし、今年はまさに旧暦8月15日が満月となります。しかも、ちょうど満月になる瞬間の時刻が午後8時13分なので、名月中の名月とも呼べるでしょう。ちなみに、この満月の瞬間の時刻は全国どこでも同じです。

一方、月の出てくる時刻は、地域によって多少異なります。札幌は午後5時14分、仙台は午後5時16分、東京は午後5時22分、名古屋は午後5時33分、大阪は午後5時39分、広島は午後5時51分、福岡と鹿児島は午後6時ちょうど、那覇は午後6時12分です。

満月の瞬間となる午後8時13分は全国どこでも月の出から2時間~3時間程度経っており、ちょうど見上げた高さにきれいな満月が眺められると思います。

では、皆さん、きれいなお月見を楽しみましょう。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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