Yahoo!ニュース

桜咲く400℃の法則~東京の桜も来週中頃には開花?~

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
ソメイヨシノ(イメージ)

桜咲く400℃の法則とは?

桜は冬の寒さで目覚めた後(休眠打破)、春に向かう暖かさで成長し、3月下旬頃には花を咲かせることになります。

過去の例から、東京では休眠打破が終わった頃の2月以降の毎日の平均気温を足していき、その合計が400℃前後となった頃に開花を迎えることが多くなっています。

1970年以降のデータは以下の通りです。

桜が開花するまでの積算気温の推移
桜が開花するまでの積算気温の推移

年によってややばらつきはありますが、

おおむね400℃に達する頃が桜開花のひとつの目安となっています。

10年ごとに区切っていくと、

1970年代は約396℃

1980年代は約404℃

1990年代は約433℃

2000年代は約416℃

2010年代は約400℃(4年平均)

1970年~2013年までの平均は約411℃となります。

ここで積算気温が極端に少ない場合や多い場合は以下の様なことが考えられます。

冬が厳冬傾向で、春になると急激に暖かくなるような年は比較的少ない積算気温で開花しており、顕著な例としては「1977年335℃」や「2013年355℃」がそれにあたります。

逆に、冬が暖冬であったり、開花直前に低温にさらされたりした場合などは積算気温が増える傾向にあり、顕著な例としては「2005年453℃」や「1995年458℃」などがそれにあたります。

今年は冬らしい寒さを経て、3月上旬に寒かったものの、中旬以降は平年より高い傾向となっていることから、おおむね400℃前後が開花の目安になると考えられます。

積算気温400℃突破は26日(水)頃

さて、東京の積算気温ですが、3月21日現在で約341℃となっています。

残りは約60℃程度。

きょう22日に発表された東京の週間予報は以下の通り。

22日午前11時発表の週間予報
22日午前11時発表の週間予報

気象庁発表の週間予報

1日の平均気温は、最低気温と最高気温を足して2で割った程度となりますので、

予想をもとに単純に積算気温を計算していくと、

22日(土)約350℃

23日(日)約360℃

24日(月)約372℃

25日(火)約388℃

26日(水)約404℃

27日(木)約418℃

28日(金)約433℃

となります。

来週は開花直前の低温もありませんので、早ければ25日(火)、遅くても27日(木)には開花となる可能性が大きいと思われます。

更に、開花した後も最高気温は20℃超の高温が続く可能性があり、開花から満開までは通常7~8日程度は要しますが、今年は4日~5日であっという間に満開へ、ということも考えられそうです。

ウェザーマップによる桜の開花予想

来週は東京以外の桜も、一気に咲き急ぐ方向へと舵を切るかもしれません。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

杉江勇次の最近の記事