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11日にかけて”冬台風”に厳重警戒を

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

危険度がかなり高い”爆弾低気圧”

きょう9日(月)、九州南部付近にある低気圧が本州の南岸沿いを東寄りに進み、今夜関東付近に差し掛かった頃から急速に発達し始める予想です。すでに西日本では本降りの雨となっていますが、関東地方でも低気圧の近づく今夜は沿岸部を中心に雷を伴った激しい雨の降るおそれがあり、遅い時間ほど要注意です。

九州南部付近の低気圧は本州南岸沿いを東進
九州南部付近の低気圧は本州南岸沿いを東進

あす10日(火)になると、三陸沖から一段と発達しつつ北海道へ向かう予想です。

よく短い期間(24時間)で急速に発達する低気圧を”爆弾低気圧”とも呼びますが、この低気圧もまさにその典型例で、あす夜には北海道付近で964hPaまで中心気圧が下がる予想で、まるで冬台風とも言えるような低気圧の姿となっています。

10日(火)夜、台風並みに発達し北海道へ
10日(火)夜、台風並みに発達し北海道へ

この冬は低気圧が発達しながら北海道付近を通過することが非常に多く、その数は10回以上に上っていますが、今回の低気圧はその発達具合、規模の大きさなどから、昨年12月17日に過去最強クラスで北海道を襲った低気圧に匹敵するのではないかと思われるほど、危険度が高いと言えるかもしれません。(下欄参照)

10日~11日にかけて大荒れ

今回、最も警戒しなければならないのは、10日~11日にかけての全国的な暴風。

北日本や日本海側を中心に、広い範囲で最大瞬間風速は30~35メートルに達し、沿岸部や島しょ部ではこれ以上に達するおそれがあります。

また上空には真冬並みの強い寒気が流れ込むため、日本海側の各地で吹雪模様となり、山沿いでは大雪となる所もあるでしょう。

北海道の東部では平地でも湿った大雪となり、これまでの記録をさらに上回る積雪となる所が出てくるかもしれません。さらに北海道では高潮にも注意、警戒が必要です。

太平洋側で晴れる所でも北日本を中心に強い西寄りの風が吹き荒れ、真冬に戻ったような寒さとなります。

ちょうど11日と言えば、東日本大震災から丸4年目にあたる日でもあり、さまざまなセレモニーや追悼式などが行われると思いますが、暴風などによる災害に遭わぬよう、十分な注意をなさって頂きたいと思います。

気象庁発表の防災情報

気象庁発表の天気予報

昨年12月17日の爆弾低気圧

当時の記事から抜粋した予想天気図。今回もこれに近い発達が予想されている。

昨年12月17日の爆弾低気圧の記事

昨年12月17日の爆弾低気圧時の予想天気図
昨年12月17日の爆弾低気圧時の予想天気図

ウェザーマップ気象人による気象状況

昨年12月17日の天気図や気象状況
昨年12月17日の天気図や気象状況
気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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