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台風9号発生へ~7月前半の天気に大きく影響か~

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
日本のはるか南東海上で熱帯低気圧が発生。今後台風9号に発達する予想です。

台風9号発生へ

マーシャル諸島の熱帯低気圧は24時間以内に台風へ(気象庁)
マーシャル諸島の熱帯低気圧は24時間以内に台風へ(気象庁)

熱帯低気圧情報(気象庁)

このところ、赤道に近い海域(北緯10度ライン)で、雲の塊がいくつも発生していたのですが、その内、けさ30日9時、日本のはるか南東海上(マーシャル諸島)で雲が急速にまとまりだし、熱帯低気圧が発生しました。

気象庁の予想では、今後24時間以内、つまり7月1日までには台風(9号)に発達する予想です。台風が発生する前から詳細な進路予想をすることは禁じられていますが、数々のデータからは大雑把に、この熱帯低気圧の北側に大きく広がる晴天域(太平洋高気圧)の南の淵に沿って、しばらく西進する可能性が高いと思われます。

その後、日本の東へ北上するか?日本列島を目指すか?フィリピン~沖縄方面へ進むか?現時点ではなんとも言えませんが、仮に日本列島に影響があるとすれば、早くて今から1週間程度あと、遅ければ10日~2週間程度要することになりそうです。

また、前回の記事で書いた通り、日本の南で海水温が30℃以上となっているため、資料によっては、台風をかなり大きく、強力に発達させているものもあり、そのような場合は、日本付近の高気圧を強める働きをするため、来週の後半は本州付近で梅雨明けを思わせるような猛烈な暑さを予想する計算もあります。

いずれにしても、今後発生する予想の台風(9号)の振る舞い次第では、来週の後半~再来週の前半あたり(7月8日~14日頃)の天気を大きく左右するおそれがあり、今後、十分な注意が必要だと思われます。

7月上旬~中旬、台風接近のパターン

近年、7月上旬~中旬にかけて、比較的大きな台風が日本列島に影響を与えています。

日本の東を北上するパターン、列島直撃のパターン、主に沖縄方面へ進んだパターンを掲載します。台風のコースの傾向として、沖縄付近へ進むと本州付近は猛暑になりやすく、日本の東へ進むと、気温が下がる傾向があります。

また、海水温が高い傾向もあり、2014年の台風8号では沖縄に特別警報が出され、2011年や2007年にも7月としては異例に強い勢力で列島を直撃しました。今年も海水温が高いので、台風の発達には要警戒です。

●日本の東を北上するパターン

2004年台風8号

●列島直撃のパターン

2014年台風8号

2011年台風6号

2007年台風4号

●沖縄方面へ進むパターン

2013年台風7号

2006年台風3号、4号

2005年台風5号

以上。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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