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台風9号~七夕には日本の南へ到達、その後の進路は?~

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

来週、7日(火曜日、七夕)頃、日本の南へ

台風9号は来週前半に日本の南へ進む予想
台風9号は来週前半に日本の南へ進む予想

最新の台風情報(気象庁)

台風9号はトラック諸島付近を西寄りに進んでいます。

今後は勢力を強めながら西から北西方向に進み、今週末、強い勢力でグアムやサイパン付近を通過したあと、週明けには日本の南に到達する予想です。

きょう午後3時に気象庁から発表された予報円によると、5日後の7日午後3時には日本の南まで進んでくる予想で、七夕の頃には日本の南に位置していることになります。

この時点での予報円の直径は約1000キロ程度でかなり大きくなっていますが、5日先の進路予想に対しては比較的絞られている方だと思います。ちなみに台風の中心が予報円の中に入る確率は約70%なので、やはり七夕の時点で台風が日本の南に位置している可能性はかなり高いと言えるでしょう。

また、米軍合同台風警戒センターの予想では、七夕の時点で同じく日本の南を予想しており、その勢力は台風としては最も強いスーパータイフーンクラス(日本では猛烈な強さ)になると予想しています。(きょう正午の時点)

米軍合同台風警戒センター

では、七夕以降の進路はどうなるでしょうか?

その鍵を握るのが日本の南東海上から張り出してくる太平洋高気圧の勢力だと思われます。この勢力が強ければ、台風を西側へ押し出し、沖縄から東シナ海へ進むコースとなり、逆に弱ければ、日本の南から東海上へ抜けて行くコースとなります。そして、その真ん中、中くらいの勢力だと、まっすぐ日本付近に北上してくる最悪のコースとなり、もちろんこの場合は日本付近に大荒れの天気をもたらすことになります。

まだ、太平洋高気圧の勢力予想が安定せず、日に日に台風の進路予想がぐらついている段階ではありますが、仮に日本付近に北上する最悪のコースとなる場合は、来週の後半(8日~11日頃)に接近のタイミングがやってくる可能性がありますので、あらかじめ、念頭におかれておくといいかもしれません。

なお、詳細な5日先までの台風予報は1日4回(3時、9時、15時、21時)発表されますので、なるべく最新の台風予報をチェックするようになさって下さい。

複数の台風が発生し、北上も

南海上は雲の塊だらけ(2日16時30分、気象庁HPより、加筆了承済み)
南海上は雲の塊だらけ(2日16時30分、気象庁HPより、加筆了承済み)

目先、来週にかけて最も大きな影響が出そうなのが台風9号なのですが、南の海上には台風9号以外にも、まだいくつもの台風の卵(熱帯低気圧や*低圧部)が発生しています。

今後、これらの卵が発達し、複数の台風が発生する可能性もあり、台風9号が北上した後、これらの台風を日本付近へと北上させる計算もあります。

しばらく南の海上から目が離せません。

*低圧部とは、周囲より気圧は低いが、循環が弱く、中心を特定出来ないところ

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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