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トリプル台風(9号、10号、11号)の進路は?

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

トリプル台風

3つの台風の進路に大きく影響するのが太平洋高気圧(気象庁HPより、加工了承済み)
3つの台風の進路に大きく影響するのが太平洋高気圧(気象庁HPより、加工了承済み)

前回書いた記事中の(台風の卵)が2つとも台風になりました。

台風の最新情報は気象庁HPで確認

すでに発生していた台風9号に加え、2日(木)21時にフィリピンの東で台風10号が発生、更に4日(土)3時にマーシャル諸島で台風11号が発生しました。

台風が3つ同時に発生しているのは特に珍しい現象ではありませんが、今年はもちろん初めての事となります。そして、この3つの台風の進路を大きく決定する要素、いわば決定権があるのが日本の南東海上に位置している太平洋高気圧です。

台風進路の決定権は太平洋高気圧にあり

台風はこの太平洋高気圧の中を割って進むことはあまりなく、多くの場合、この高気圧の周りを西寄りに進むことになります。まず台風9号の進路はこれまでにも書いてきた通り、この太平洋高気圧の縁を回って来週木曜日(9日)頃に沖縄近海に達する予想です。高気圧の勢力が強ければ沖縄を通った後も北西方向へ進み、東シナ海を進んだ後、大陸あるいは朝鮮半島方面へ進むことになるでしょう。逆に高気圧の勢力があまり強くないと、九州など西日本へ接近するおそれもあります。

そして台風10号に関しては、太平洋高気圧からは離れ、上空の風のほとんどない所でしばらく居座り続けながら台風9号を待つ形となりそうです。もし、この台風9号と台風10号が近付くと、いわゆる藤原の効果で2つの台風が干渉しあって複雑な動きをする可能性があります。ただ、今回の場合は、台風9号の方が勢力も形も大きくなる予想で、台風9号に吸収されてしまうか?あるいは台風9号が北上した後、それに引っ張られるように東シナ海を北上し始める可能性が高いのではないかと思われます。もしそうなれば、南西諸島が長い時間、2つの台風の影響を受けるおそれがあります。

更に3つ目の台風11号ですが、しばらくは太平洋高気圧の縁を西寄りに進み、台風9号の3日~4日遅れで同じようなコースを進んでくる予想です。この台風が日本付近にどれ位影響するか?もちろんはっきりしませんが、種々の計算では来週の週末~再来週の週明け(7月11日~14日頃)頃に、日本付近へ台風を進めているものもあります。

また可能性は小さいですが、もし3つの台風が接近しあうと、更に複雑な動きをする可能性も否定はできません。

今後も3つの台風の最新の情報にご注意下さい。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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