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再びトリプル台風に?~台風11号は来週後半、列島直撃も~

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

台風11号は西日本上陸コースへ

台風11号は西日本上陸コースへ(11日15時気象庁発表)
台風11号は西日本上陸コースへ(11日15時気象庁発表)

きょう11日15時に気象庁から発表された最新の台風11号予報円によると、台風はこれまでより1日程度早めに北上し、来週の木曜日頃には西日本に接近、あるいは上陸するようなコースに変わってきました。

まだ予報円が大きく、東寄りのコースを通れば東海地方、西よりのコースを通れば東シナ海へ抜ける可能性もありますが、これまでより西日本付近に到達する可能性が高まってきたのは間違いありません。予報円通りならば木曜日~金曜日頃(16日~17日)を中心に、本州付近では大荒れの天気が予想されますので、十分な警戒が必要です。

台風の最新予報円(気象庁発表)

再びトリプル台風に?

ところで今週3つあった台風のうち、台風10号は中国大陸に上陸し、消滅したため、現在は2つの台風となっていますが、週明け早々には再び3つの台風となるかもしれません。

ひまわり8号のとらえた雲の様子。気象庁発表、加工了承済み。
ひまわり8号のとらえた雲の様子。気象庁発表、加工了承済み。
7月12日午前9時の予想天気図(気象庁発表、加工了承済み)
7月12日午前9時の予想天気図(気象庁発表、加工了承済み)

あす12日の予想天気図をみると、日本付近には台風9号と台風11号がありますが、注目は天気図の一番右、HALOLAと書かれている低気圧です。実はこれハリケーンの卵で日本で言えば台風に相当する熱帯低気圧なのです。この熱帯低気圧が天気図中の青いライン、日付変更線(東経180度)を超えて西側に入ってくれば台風という呼び名に変わります。俗に言う「越境台風」で、2~3年に1個程度は発生しているため、それほど珍しいものではありません。

米軍合同台風警報センターの予想によれば、13日(月)午前3時頃には東経180度ラインを超える予想となっていますので、この頃には再びトリプル台風となっている可能性があります。ただし、台風9号は13日(月)午後には朝鮮半島付近で温帯低気圧に変わる予想のため、微妙かもしれませんが。

更にハワイの南には別の熱帯低気圧があり、これも来週の後半以降、東経180度を超えて日本の観測域に入ってくる可能性がありそうです。

HALOLAの進路予想図(米軍合同台風警報センターより抜粋)
HALOLAの進路予想図(米軍合同台風警報センターより抜粋)
熱帯擾乱の予想(米軍合同台風警報センターより抜粋)
熱帯擾乱の予想(米軍合同台風警報センターより抜粋)
気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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