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東太平洋に3つのハリケーン、うち一つは越境し台風(17号)へ

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

東太平洋には3つのハリケーンが発生中

東太平洋に3つのハリケーンと一つの熱帯低気圧が発生中。(NOAAのGOES画像)
東太平洋に3つのハリケーンと一つの熱帯低気圧が発生中。(NOAAのGOES画像)
日本のひまわり8号がとらえたハリケーン「キロ」。(気象庁HPより)
日本のひまわり8号がとらえたハリケーン「キロ」。(気象庁HPより)

現在、東経180度より東の太平洋には3つのハリケーンが発生しています。1日午前3時現在の勢力で最も強いのは右側にあるハリケーン「ヒメナ」となっており、中心付近の最大瞬間風速は約75メートルと推定されています。

真ん中のハリケーン「イグナシオ」は最大瞬間風速約55メートルで、数日前はハワイに接近すると予想されていましたが、北側を比較的離れて通る予想に変わっています。

そして、一番左側のハリケーン「キロ」は、最大瞬間風速約70メートル。東経180度ギリギリの所まで西進しており、JTWC(米軍合同台風警報センター)の予想では、1日15時~21時頃には東経180度を超えて、日本の気象庁の観測域に入る予想です。

台風(17号)発生へ

1日午前3時の天気図。ハリケーン「キロ」が解析されている。(気象庁HPより)
1日午前3時の天気図。ハリケーン「キロ」が解析されている。(気象庁HPより)

気象庁が発表した1日午前3時の天気図には、少し見づらいのですが東経180度ギリギリの西経域にハリケーン「キロ」が解析されています。今後も太平洋高気圧の南の縁に沿って、西寄りに進む予想です。

ハリケーン「キロ」の進路予想。(JTWCより)
ハリケーン「キロ」の進路予想。(JTWCより)

JTWC(米軍合同警報センター)が発表しているハリケーンの進路予想をみると、きょう1日15時~21時頃には東経180度線(日付変更線)をまたいで西経域から東経域へ入り、日本の気象庁の観測域に入ることになります。

予想通りならば、ハリケーンから台風(17号)へと名前が変わることになりますが、「キロ」という名前は引き継がれます。また予想通り台風となれば、7月26日に九州に上陸した台風12号(ハロラ)に続き、今年2つ目のいわゆる「越境台風」となります。

越境台風となれば、統計のある1951年以降でちょうど30個目となります。

台風12号は越境台風としては過去2個目の上陸となりましたが、今回発生する予想の台風はすでに北緯20度以北に進んでいます。さすがに北緯20度を超えて越境する台風が過去日本に近付いたことはないようです。

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(越境台風に関しては、デジタル台風のデータを参考にさせて頂きました。)

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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