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今夜~あす明け方、関東に雪予報

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
今夜~あす明け方、関東でうっすら雪化粧も(写真:長田洋平/アフロ)

きょう(土)、あす(日)ともに雪予報?

けさの天気予報を画面で見て、ちょっとびっくりなさっている方も多いかと思います。

けさ発表された気象庁の天気予報は以下の通りです。

きょう(土)の予報。曇りのち雪の所が多い。気象庁発表。
きょう(土)の予報。曇りのち雪の所が多い。気象庁発表。
あす(日)の予報。関東南部に雪予報。気象庁発表。
あす(日)の予報。関東南部に雪予報。気象庁発表。

昨日までは、土曜日、日曜日ともに、晴れや曇りのマークだったのに、いきなり2日連続の雪予報となっています。

では、このいきなり変わったように見える雪予報を詳しくみていきましょう。

上空の寒気の南下で雪雲発生か

気象庁が発表している今夜9時の予想天気図をご覧下さい。

今夜(土)9時の予想天気図。
今夜(土)9時の予想天気図。

日本の南海上を前線を伴った低気圧が北東へ進みます。

通常、関東に雪をもたらすのはこの南海上を通過する南岸低気圧と呼ばれるものです。ただ、今回この低気圧は関東のずっと南、小笠原諸島付近を通過していくため、降水域は関東にはかからない予想です。

一方、日本付近にはこれからあす朝にかけて上空の寒気が南下するため、この寒気の先端に気圧の谷と呼ばれる降水域のラインが発生して、日本海側から太平洋側へ南下していく予想です。

この時に関東地方でも降水域がまとまることがあり、今回もこのパターンでの降雪が予想されているのです。(関東の南にごく小さい低気圧が発生するようなイメージ)

実は昨日の段階で、この予想は出ていましたが、所によって降る程度とみられていたため、予報マークには反映されていませんでした。しかし、けさの最新の計算により、この降水現象がやや強まったために、雪マークが出現したのです。

南岸低気圧と違い、このパターンの降雪では降っている時間も短く、大雪となることはほとんどありませんが、気温が低い場合はうっすらと積雪することもあるため、油断は出来ない気象現象です。

今夜~あす明け方は、念のため注意

では、今夜~あす明け方にかけての雪や雨の推移は以下の通りと予想されています。

栃木県で18時頃、降水域が発生する予想。
栃木県で18時頃、降水域が発生する予想。
21時頃には南部へも広がる予想。
21時頃には南部へも広がる予想。
あす(日)未明が降雪のピークか。
あす(日)未明が降雪のピークか。
あす(日)明け方には降雪はほぼ収まる予想。
あす(日)明け方には降雪はほぼ収まる予想。

今夜18時頃、栃木県で降水域が発生し、南下しながら範囲が広がる見込み。

21時以降は都内など関東南部でもみぞれや雪になる所がある見込みです。

その後、降雪のピークはあす(日)午前0時~3時頃の未明となりそうです。

その後、午前3時~6時頃には降水域が南の海上へだんだん抜けていき、午前6時以降はほぼ止む予想となっています。

降水量は多くても5ミリ程度とみられるため、雪が多く積もることはありませんが、埼玉県や東京多摩、神奈川県の西部など、郊外や山沿いを中心に、うっすらと雪化粧をする可能性もありそうです。

あすの朝は冷え込みが強まり、平野部でも0℃位まで下がる所が多くなりますので、念のため、路面の凍結にご注意下さい。

天気図などは気象庁発表資料に加工了承済み。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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