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東京の桜は今週末にも開花?桜咲く400℃の法則より。

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
東京は間もなく桜の季節を迎えそう。(写真:Rodrigo Reyes Marin/アフロ)

桜咲く”400℃の法則”とは?

桜は冬の寒さで目覚めた後(休眠打破)、春に向かう暖かさで成長し、3月下旬頃には花を咲かせることになります。

過去の例から、東京では2月以降の毎日の平均気温を足していき、その合計が400℃前後となった頃に開花を迎えることが多くなっています。

1970年以降のデータを調べると以下の通りとなります。

東京の桜が開花するまでの積算気温。(2月1日~)
東京の桜が開花するまでの積算気温。(2月1日~)

年によってややばらつきはありますが、

おおむね400℃に達する頃が桜開花のひとつの目安となっていることが分かります。

1970年~2015年までの平均は約411℃です。

ただ、400℃と言っても、一様なわけではなく、積算気温がかなり多い年やかなり少ない年もあります。

これは以下の様なことが考えられます。

積算気温がかなり多い年は、冬がかなりの暖冬であったり、開花直前に長い時間低温にさらされたりした場合で、2005年や1995年などがそれにあたります。この2例の他、比較的多くの年で450℃前後での開花となっています。

逆に積算気温がかなり少ない年は、冬がとても寒く厳冬で、春になると急激に暖かくなるような場合で、顕著な例としては1977年や2013年などがそれにあたります。こちらの例は少なく、特異な例と言っても良いかもしれません。

今年は記録的な暖冬のため、桜の花芽が休眠から目覚めにくかったとも考えられますが、一方で、1月末以降も気温の高い日が多かったこと、またこの1週間程度は寒の戻りでしたが、この先は再び高温傾向になること、また現在のつぼみの状況などから、おおむね400℃前後が開花の目安になると考えています。

積算気温400℃突破は18日(金)頃

さて、東京の積算気温ですが、3月14日(月)現在で約331℃となっています。

ただこれは東京北の丸の気温で、おととしまで積算気温に用いていた大手町の気温ではありません。これは東京の観測地点がおととし12月に大手町から北の丸へと移転したためですが、北の丸の気温に大手町の気温を補正をすると一日大体+0.7℃~0.8℃となるため、上記の積算気温は約364℃という計算になります。

こうなると残りはもう30℃~40℃です。

では東京(北の丸)の週間予報をもとに計算をしてみましょう。

東京の週間予報(15日朝の時点、気象庁発表)
東京の週間予報(15日朝の時点、気象庁発表)

1日の平均気温は、最低気温と最高気温を足して2で割った程度となりますので、

予想をもとに積算気温を計算していくと、

15日(火)約372℃

16日(水)約380℃

17日(木)約394℃

18日(金)約408℃

19日(土)約421℃

20日(日)約436℃

となります。

計算上、400℃を突破するのは18日(金)頃で、早ければ金曜日、遅くとも20日(日)頃までには開花となる可能性が大きいと思われます。

開花~満開までは1週間~10日位となりますので、3月最後の週末付近が東京都心での一番の見頃となるかもしれません。

ウェザーマップによる最新の予想でも、東京の開花は18日(金)頃、満開は28日(月)頃となっています。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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