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熱帯低気圧は台風1号に発達せず

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
南シナ海を北上していた熱帯低気圧は中国大陸に上陸。(27日21時、気象庁)

熱帯低気圧は中国大陸に上陸

27日15時、熱帯低気圧の中心気圧は998hPa(気象庁発表)
27日15時、熱帯低気圧の中心気圧は998hPa(気象庁発表)
27日21時、熱帯低気圧の中心気圧は1000hPaに上昇(気象庁発表)
27日21時、熱帯低気圧の中心気圧は1000hPaに上昇(気象庁発表)

台風1号に発達する可能性のあった南シナ海の熱帯低気圧(TD)ですが、昨夜(27日)21時にその中心が中国大陸へ上陸した模様です。このためこの熱帯低気圧が今後台風1号へ発達する可能性はほとんどなくなりました。

この熱帯低気圧は27日15時の時点で、中心気圧が998hPaまで下がったため、もう少し海上を進んでいれば台風へ発達する可能性も十分あったのではないかと思われます。中国大陸に上陸した27日21時の中心気圧は1000hPaに上昇したため、ここから最発達は見込まれず、どうやら今年の台風1号の発生は先送りとなりました。

JTWC(米軍合同台風警報センター)でも熱帯低気圧は消滅へ

JTWCの27日23時の発表では危険度のないエリアとなった。
JTWCの27日23時の発表では危険度のないエリアとなった。

南シナ海の熱帯低気圧に対して、一時HIGH(台風へ発達の可能性あり)という情報を発表していたJTWC(米軍合同台風警報センター)でも、昨夜(27日)23時の時点で、台風、あるいは台風へ発達するおそれのある熱帯低気圧はないエリアとして情報を更新しました。

熱帯低気圧が中国大陸へ上陸したことで、今後この熱帯低気圧の発達はもうないと判断したようです。

台風1号の発生はすでに6番目に遅い

1951年の統計開始以来、台風1号の遅い発生日時は以下の通りです。

1位1998年7月09日

2位1973年7月02日

3位1983年6月25日

4位1952年6月10日

5位1984年6月09日

今年はこれに次ぐ、すでに6番目に遅い状態となっています。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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