姿を変えた台風1号に厳戒~九州はあすにかけて大雨ピークに~
台風1号の暖湿気を梅雨前線が吸収
けさ6時の実況天気図をみると、梅雨前線が近畿地方を横切るように日本付近に停滞しています。
一見するとあまり危険度が高くないような天気図にも見えますが、実はあす13日にかけて九州を中心にかなりの大雨となる心配があるのです。
この天気図の過去を振り返ると以下のようになります。
先週末、台湾を直撃した台風1号が中国大陸へ到達し、その後熱帯低気圧に姿を変え、その熱帯低気圧も天気図上からは姿を消していますが、たっぷりと持ち込まれた水蒸気はなくなる分けではなく、梅雨前線に吸収されるような形で、今九州へ到達しようとしているのです。
乾燥域(暗域)の接近で極端な大雨も
さらに気象衛星で雲の様子(水蒸気画像)をみてみましょう。
朝鮮半島の西側、黄海付近に水蒸気の少ない所があります。
これは暗域とも呼ばれている乾燥域(上空の寒気)で、暖湿気のあるところにこのような暗域が位相をそろえると雨雲は急激に発達し、場合によっては1時間に100ミリ以上の猛烈な雨を降らせることがあります。
これからあすにかけての九州付近がまさにそのような状態となりそうで、特に今夜遅く~あす日中にかけては危険度のかなり高い降り方をするおそれがあります。
雨雲が線状に発達するような場合は先月20日~21日のような記録的な豪雨となるおそれもあります。
これまでにもかなりの量の雨が降っていますが、あすにかけて更なる大雨となるおそれがり、土砂災害などに、厳重な警戒が必要です。
気象庁の発表する情報や警報、土砂災害警戒情報などにも注意をはらって下さい。