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西日本を中心に梅雨明けか?関東はまだ微妙

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
西日本は今週夏空が広がり、絶好の海水浴日和に。(写真:アフロ)

各地の梅雨明けと平年日

今年の梅雨明けと平年日(7月17日現在、気象庁HPより)
今年の梅雨明けと平年日(7月17日現在、気象庁HPより)

今年の梅雨明けは沖縄で平年より7日早く、奄美では11日も早かったのですが、本州付近では早まるようなことはなく、九州南部ではすでに平年(7月14日)より遅れている状態です。

このように、本州付近での梅雨明けの見通しがなかなかつかない状況が続きましたが、昨日からきょうにかけて、高気圧が強まる方向へと変わってきたため、西日本を中心とした広い範囲で一気に梅雨明けが見えてきました。

西日本で夏の高気圧が強まる方向へ

西日本の上空へ高気圧が張り出す予想(気象庁HPより)
西日本の上空へ高気圧が張り出す予想(気象庁HPより)

上図は500hPa(上空6000メートル付近)の高気圧の強さや850hPa(上空1500メートル付近)の気温の予想を示したものです。

これによると西日本の南海上で高気圧が発達し(Hマーク)、西日本へ大きく張り出す予想(5880の圏内)で、これは紛れもなく梅雨明けを示すパターンと言えます。これまでの予想よりも一気に高気圧が強まる予想へと変わりました。

一方、東日本や北日本はこの高気圧の東側ぎりぎりのところに位置しており、特に北からの冷湿な空気の影響を受けやすい関東や東北の太平洋側では、雲の出やすい傾向からなかなか抜け出せない状況も想定されます。

梅雨前線は衰弱する見込み

18日と19日の予想天気図(気象庁HPより)
18日と19日の予想天気図(気象庁HPより)

予想天気図をみると、あす18日(月)海の日はまだ日本の南に長々と梅雨前線が予想されていますが、19日(火)になると日本の南では弱まり、九州の南に残るだけとなります。その後は九州付近でも衰弱へ向かう予想です。

晴れマークがたくさん

週間予報(17日午前11時気象庁発表)
週間予報(17日午前11時気象庁発表)

最新の週間予報はこちら(気象庁)

上記のようなことを反映し、きょう発表された週間予報では高気圧の中心に近い高知や鹿児島を中心に、一気に晴れのマークが多くなりました。

気温も30℃を連日上回り、梅雨明けにふさわしい週間予報となっています。

一方、東京や仙台に注目すると、湿った北東風が吹きやすいパターンが続くため、雨は降らないまでも雲が取れにくく、気温も30℃以下の日が多くなる予想です。これは梅雨前線の影響によるものではないのですが、なかなか梅雨明けを発表出来る週間予報ではないかもしれません。

また大阪や福岡など、週の後半は曇りベースの予想となっていますが、これは高気圧の予想がまだぶれているため、晴れるかどうかを見極めている状態だとも考えられます。

もしあす以降、晴れへの傾向へ変われば、近畿などを含めて、より広い範囲で梅雨明けの発表があるかししれません。

来週(7月最終週)に高気圧が弱まる?

さて、梅雨明けの見通しについて述べてきましたが、実は今週の週末以降(7月最終週)、強まった高気圧が再び南の海上へ後退を予想する計算も多くあります。

梅雨明けの発表は、主に今後一週間の天候を見極めて発表することが多いものですが、もし来週(7月最終週)、再び梅雨前線が顕在化するような予想が確からしいとなれば、梅雨明けの発表を控えることも全くないとは言えません。

また、その時点で発表される梅雨明けは速報値であり、後日(9月のはじめ)その日を含む夏の天候を振り返り、確定値が発表されています。実はこの確定値で速報値が修正されることは多々あり、中には一週間以上も修正される年があるほどです。

*最新の計算を鑑み、加筆修正を行いました。(18日午前3時)

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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