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台風6号のお盆休みへの影響は?

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
台風6号や熱帯低気圧など、騒がしい状態の太平洋(気象庁HPより)

お盆休みにかけて、日本の東へ北上か

台風6号の進路予想図(10日15時現在)
台風6号の進路予想図(10日15時現在)

台風の最新情報(気象庁)

日本の東を北上した台風5号は、けさ(10日)午前3時、北海道の東で温帯低気圧に変わり、日本列島から遠ざかろうとしています。

変わって、昨日(9日)小笠原のはるか南東海上で発生した台風6号が発達しながら北上中です。

気象庁が現時点で発表している予報円によると、今後強い勢力に発達しながら北上を続け、ちょうどお盆休みにかけて、日本の東へ北上してくる予想です。

台風といえば、一般的には沖縄方面から北東に進み本州付近に進んでくるイメージがあると思いますが、台風6号は逆に日本の東海上から本州付近に進んでくるような進路予想となっています。

これは台風5号もそうでしたが、今、夏の高気圧は日本のはるか東海上と西日本方面で強く、ちょうど日本のすぐ東海上は衰弱域となっているため、ここを目指して台風が進んでくるような状況となっているのです。

今のところ、5日後(15日)の予報円は日本の東に予想されており、さすがにここまで北上したあと日本付近に近づく可能性は小さいと思われますが、日本のはるか東海上の高気圧に押されるなど、予報円の西寄りを北上してくる場合は、来週前半にかけて、関東~東北の沿岸に接近してくる可能性も考えられます。

今後も最新の台風情報をチェックするようにして下さい。

また台風があまり近づかずに離れて通過する場合でも、関東などの太平洋側では、お盆休みにかけて、いわゆる土用波に十分な注意が必要です。

騒がしい太平洋、台風が次々に発生する可能性も

北西太平洋の海水温(8月9日、気象庁HPより)
北西太平洋の海水温(8月9日、気象庁HPより)

一般に台風は海水温が約27℃以上の海域で発生、発達するとも言われています。現在台風6号がある付近の海水温は30℃近くあるため、今後も数日間は発達し、強い台風になる見込みですが、北緯30度以北では27℃以下となっているため、日本の東海上でさらに発達を続ける可能性は小さいと思われます。

一方、雲の様子をみると、台風6号の他に、沖縄付近には熱帯低気圧(台風の卵)があり、その他にも、あちらこちらに雲の塊が発生しています。しかも海水温は30℃前後あります。

沖縄付近の熱帯低気圧は台湾付近へ進むためこれ以上発達することはないとみられますが、今後、日本の南海上で複数の台風発生を予想している計算もみられます。

騒がしくなっている太平洋からしばらく目が離せません。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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