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異例ずくめの台風10号、今度は関東~東北の太平洋側を過去最強勢力で直撃する恐れ

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
次第に雲も大きくなってきている台風10号(気象庁HPより)

過去最強勢力で関東~東北に上陸の恐れ

過去最強勢力で関東~東北を直撃か(27日午前9時)
過去最強勢力で関東~東北を直撃か(27日午前9時)

これまでに発生した台風1711個のうち、初めてのコース取りとなる伊豆諸島近海から沖縄の南へ南下したあと、Uターンしている強い台風10号。

きょう27日午前9時に発表された進路予想によると、台風は更に発達しながら北東方向へ進み、30日(火)午前9時には関東の東海上で中心気圧945hPa、最大瞬間風速60メートルに達する予想となっています。

このあと、日本海の寒冷渦に取り込まれるように急速に西寄りに進路を変え、関東~東北の太平洋側に上陸したあと、日本海~朝鮮半島方面へ進む予想となっています。

台風10号がこれまでに進んできたコースが前例のないものなら、今後予想される日本の東海上から通常とは逆向きに転向し(通常は北東へ)、太平洋側を直撃するような台風も過去には例がありません。

2度も前例のないコース取りをするこの台風10号は異例中の異例と言っても過言ではないでしょう。

さらに、30日午前9時の時点よりは勢力が落ちると思いますが、もし東北太平洋側に上陸することになれば、東北へは過去最強勢力での上陸となるのはほぼ間違いありません。これまで東北に上陸または再上陸した台風の中心気圧は低くても980hPa程度となっています(通過は除く)。

またもし予想されるコースの南寄りを進み、千葉県や茨城県に上陸するようなことがあれば、関東に上陸する台風としても、過去最強クラスになる可能性があります。

関東地方に上陸した台風で、上陸時の中心気圧が低かったものは以下の通りです。(気象庁調べ)

1958年 台風21号 神奈川県三浦半島  960hPa

2002年 台風21号 神奈川県川崎市付近 960hPa

1958年 台風22号 神奈川県三浦半島  965hPa

1981年 台風15号 千葉県館山市付近  965hPa

1961年 台風24号 千葉県勝浦市付近  970hPa

1989年 台風13号 千葉県銚子市付近  970hPa

2001年 台風15号 神奈川県鎌倉市付近 970hPa

2002年 台風 6号 千葉県館山市付近  970hPa

いずれにしても、勢力が強いまま関東~東北の太平洋側を直撃する可能性が高いと思われますが、寒冷渦への取り込まれ方によっては、どこをどのタイミングで直撃するかはまだ予想が定まっていない状況です。

台風の進むコースやタイミングにより、大雨や暴風など、大荒れとなる時間や場所が変わってきますので、今後も最新の台風情報に注意をして下さい。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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