台風14号発生。週明けには先島諸島へ接近の可能性も
太平洋高気圧が台風14号の転向をブロック?
きょう(10日)15時にフィリピンの東海上で台風14号が発生しました。
台風は発達しながら西寄りに進み、予報円の真ん中を進むと来週の火曜日~水曜日頃に先島諸島の南の海上へ進む予想です。
その後、台湾の南を通り、中国大陸方面へ進む予想となっています。
これは日本の南から沖縄付近で今後太平洋高気圧が勢力を拡大し、台風が転向する(北~北東へ進む)のをブロックするような予想となっているからです。
ただ、高気圧の勢力が予想よりも弱ければ予報円の東側を通り、先島諸島付近から転向する可能性も考えられますので、今後も最新の台風情報にご注意下さい。
なお、仮に先島諸島へ中心が近付く場合、非常に強い勢力で接近する可能性もあり、先島諸島は早めのかつ十分な台風対策が必要でしょう。
米軍合同台風警報センターの進路では?
米軍合同台風警報センター(JTWC)がきょう10日9時に発表した進路予想では、気象庁の予想よりも北寄りに進み、来週中頃に先島諸島を直撃する予想です。
しかもこのあたりで北寄りに転向するような気配が見え、気象庁の予報円のちょうど東側を進むような予想となっています。
おそらく気象庁のモデルよりも沖縄付近で太平洋高気圧の勢力が弱まると計算されているのかもしれません。
海水温の高い海域を進み、急速強化の可能性も
現在、台風14号が発生した場所から沖縄の南にかけての海域は、海面水温が平年より高く、30℃以上となっています。
過去、フィリピンの東海上というのは気象庁の予想以上に台風が急速に発達することが多くあり(急速強化)、今回の台風14号も今後短期間に急激に勢力を強める可能性がありそうです。
去年と今年の台風の違い
ところで台風というものは、大まかには毎年毎年同じような場所で発生することが多いものですが、今年これまでに発生した台風と去年発生した台風を見比べると、その発生地点に大きな違いが見られます。
上図は去年(青色)と今年(赤色)の台風発生地点をプロットしたものです。
これによると、去年(青色)は日本のはるか南東海上、遠く離れた赤道に近い場所で多く発生しているのに対し、今年(赤色)はばらけてはいるものの、比較的日本に近い南の海上で多く発生していることが分かります。
これは去年、過去最大規模のエルニーニョ現象が発生し、台風の発生場所が南東側にずれてしまったのに対し、今年は台風の発生時期が遅かったことやその後日本の南で高気圧が弱かったことなどが影響し、日本近海で発生することが多かったからと思われます。
また去年発生した台風27個と今年これまでに発生した台風13個の発達具合を調べると、大型の台風となった割合は、去年27個中7個あったのに対し、今年は13個中2個のみ(率にすれば約26%と約15%)、また強い台風以上となった割合は、去年27個中18個あったのに対し、今年は13個中4個(率にすれば約67%と約31%)と、ともに去年の方が2倍程度多くなっています。
これは発生場所がはるか南東海上にずれていた去年は、台風が長い道のり、長い時間をかけてじっくりと進むため、台風が発達しやすい環境にあったのに対し、今年は発生場所が日本に近い北寄りのため、一部を除き、発生してからあまり発達することなく海水温の低い所に到達してしまうためだと考えられます。
ただ、今後もこのような傾向が続くとは限りません。8月に弱かった日本の南での太平洋高気圧は例年通りに強まってきています。
これから10月にかけて、台風14号を含め、じっくりと時間をかけて発達する台風に要注意だと思われます。