Yahoo!ニュース

台風14号は890hPaの記録的勢力に。台風16号は3連休に列島直撃の恐れ。

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
中心の眼がピンホイールのような台風14号(気象庁HPより)

890hPaは、台風としては記録的な強さ

平成最強クラスの台風14号(14日3時現在)
平成最強クラスの台風14号(14日3時現在)

台風の最新情報(気象庁HP)

先島諸島の南を進んでいる台風14号は、昨夜21時の発表で、中心気圧890hPa、最大風速60メートル(120kt)、最大瞬間風速85メートル(170kt)となり、けさ3時の発表でも同じ勢力を維持しています。

米軍(JTWC)の解析では、最大瞬間風速100メートルに達しているようです。

このあと、きょう日中にかけて、台湾の南部に最接近したあと、やや勢力を落としながらも、非常に強い勢力で、あすには中国大陸へ上陸する予想です。

今回の台風は平成(1989年)以降では、最強クラスとも呼べる強さです。

中心気圧が900hPa未満まで下がった台風を平成元年以降で調べると、

今回の台風14号を含め、以下の6個しかありません。

1990年19号(890hPa、最大風速120kt)

1991年23号(895hPa、最大風速115kt)

1991年28号(895hPa、最大風速120kt)

2010年13号(885hPa、最大風速125kt)

2013年30号(895hPa、最大風速125kt)

2016年14号(890hPa、最大風速120kt)

中心気圧で言えば2番目、最大風速で言えば3番目の強さに相当し、まさに平成元年以降では、最強クラスの台風とも呼べる強さです。

また1951年の統計開始以来、1716個の台風が発生していますが、900hPa未満まで下がった台風は、今回の台風14号で36個目となり、率にするとわずか2.1%、約50個に1個程度の割合でしか発生しません。

ちなみにこれまでで最も勢力が強かった台風は1979年20号で、870hPa、最大風速は70メートル(140kt)となっています。

台風16号は3連休に列島直撃の恐れ

台風16号は3連休に列島直撃の恐れ(14日3時現在)
台風16号は3連休に列島直撃の恐れ(14日3時現在)

台風16号はけさ3時に、暴風域を伴う強い台風となりました。

今後も発達しながら北西方向へ進み、あさって金曜日~土曜日にかけて、非常に強い勢力で、沖縄地方を北上する見込みです。

その後、偏西風帯に達したところで東寄りに転向し、日曜日~月曜日(18日~19日)にかけて、西日本方面を指向する予報となっています。

最悪の場合は西日本~東日本を3連休にかけて縦断する恐れがあり、今後の進路予想に十分な注意が必要です。

台風の勢力はデジタル台風を参考にさせて頂きました。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

杉江勇次の最近の記事