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台風16号、与那国島で66.8メートルの烈風。来週火曜日~木曜日頃に本州通過へ。

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
台風16号は来週の火曜日~木曜日頃、本州通過の恐れ高まる(17日9時)

与那国島を直撃

台風の最新情報(気象庁発表)

台風16号は昨夜から非常に強い勢力となり、さきほど午前11時前に中心気圧930hPaの最盛期の状態で与那国島付近を通過した模様で、午前10時45分のレーダーからも、与那国島が台風の眼の中に入っている様子が伺えます。

与那国島が台風16号の眼の中に(17日午前10時45分、気象庁レーダー)
与那国島が台風16号の眼の中に(17日午前10時45分、気象庁レーダー)

与那国島では午前9時頃から最大瞬間風速が時折50メートルを超え、午前10時6分には66.8メートルの観測史上4番目にあたる猛烈な風を観測しました。

しかし、台風の眼に入ったと思われる10時45分頃~11時5分頃にかけては5メートル程度の風に静まり返り、この頃に与那国島で最低気圧932.8hPaを観測しました。

ただその後は吹き返しの風に変わり、再び50メートルを超える南風が吹き荒れています。午前11時34分には60.6メートルの猛烈な風を観測しました。

与那国島を中心に、八重山地方では夕方頃まで猛烈な風に厳重な警戒が必要です。

来週火曜日~木曜日頃、本州通過の恐れ高まる

台風16号は東シナ海へ出てからの予想が不確実な状況が続いていましたが、どうやら進路に関しては固まりつつあるようです。

このあと東シナ海をゆっくりと北東方向へ進み、来週火曜日~水曜日頃に九州付近へ到達し、その後水曜日~木曜日頃にかけて、東日本付近を通過する可能性が高まってきています。

これは南に張り出している太平洋高気圧の縁を東寄りに進み、北側にある偏西風に次第に流されると予想されるためで、どうやら台風が通るコース的にはこのあたりから大きくぶれることはなくなってきたように思います。

しかし、偏西風に乗るタイミングによっては、まだ本州付近を通過するタイミングに1日以上のズレが生じる可能性があり、このあたりが大きな予報円となって出ているようです。さらに台風が温帯低気圧に変わって通過する可能性もあり、どれ位の勢力で通過するのかも未だに不確実な予想を伴っています。

台風が離れていても大雨に警戒を

日曜日午後9時の予想天気図(気象庁HPより、加工)
日曜日午後9時の予想天気図(気象庁HPより、加工)

台風16号は先島諸島を抜けたあと、九州へ接近するのは3連休明けとなりそうですが、3連休の間も東~西日本では大雨に注意・警戒が必要です。

これは本州付近に秋雨前線が停滞し、日本の南にある太平洋高気圧から湿った空気が流れ込むため、前線付近で雨雲が発達しやすくなるためです。

またもと台風14号の湿った空気や台風16号の湿った空気も流れ込むため、台風16号の接近前からあちらこちらで大雨となる恐れがあります。

大雨の降りやすい状態は台風16号の位相が通過するまで続きそうです。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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