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冬の嵐(吹雪)に警戒!東京も木枯らし1号へ。

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
北日本では広い範囲で吹雪の恐れがあります。(ペイレスイメージズ/アフロ)

低気圧が北海道の北で急速に発達

低気圧が急速に発達する予想(気象庁HPより加工)
低気圧が急速に発達する予想(気象庁HPより加工)

日本海にある低気圧があす9日(水)にかけて急速に発達し、北海道の北へ進む予想です。また中心から伸びる寒冷前線が本州付近を通過し東へ抜けるため、日本付近は西高東低の冬型の気圧配置が強まる予想です。

このため、等圧線の最も混み合う北海道を中心に、あすにかけて風が非常に強くなり、北日本では最大瞬間風速が30~35メートルに達する見込みです。さらに上空には、季節外れの強い寒気が流れ込んでくる予想です。

真冬並みの寒気が襲来

上空1500メートル付近の気温予想と平年偏差(9日15時)
上空1500メートル付近の気温予想と平年偏差(9日15時)

寒気の流れ込みがピークとなるあす9日(水)15時の上空1500メートル付近の気温の予想をみてみましょう。

すると、東北地方には-9℃以下、北陸地方には-6℃以下、関東地方にも-3℃以下の寒気が流れ込む予想で、これはそれぞれ平年より10℃前後も低く、まさに真冬並みの寒気の襲来と言えます。11月上旬としてはかなり強いレベルでしょう。

北日本は広い範囲で雪が降り、風も強いため、吹雪となる恐れがあります。

さらに、上記-6℃以下の寒気は地上付近にも雪をもたらすため、北陸地方でも初雪が舞う可能性があり、もし新潟や富山などで初雪を観測すれば、平年より2~3週間も早い初雪となります。

北日本や北陸、関東甲信の山沿いでは今シーズン初めて雪の積もる所が多くなりそうですから、積雪や吹雪などによる、交通障害にはくれぐれも注意が必要です。

東京は木枯らし1号の可能性大

東京の時系列予報(8日5時、気象庁発表)
東京の時系列予報(8日5時、気象庁発表)

東京地方でも寒冷前線が通過し終わる今夜遅くから北風に変わり、あす9日未明から平均10メートル以上の強い北風が吹くと予想されています。

これまで何度か東京地方に冷たい北風が吹いていますが、まだ木枯らし1号は発表されていません。

気象庁が発表している東京地方の木枯らし1号の定義は以下の通りです。

1 期間は10月半ばから11月末までの間に限る。

2 気圧配置が西高東低の冬型となって、季節風が吹くこと。

3 東京における風向が西北西~北である。

4 東京における最大風速が、おおむね風力5(風速8m/s)以上である。

あすには木枯らし1号の発表があるものと思われます。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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