Yahoo!ニュース

札幌は104年ぶりの寒さ(11月上旬の気温)

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
札幌の11月上旬は104年ぶりの寒さに

11月上旬の平均気温(平年差)

11月上旬は北海道で特に厳しい寒さ(気象庁HPより)
11月上旬は北海道で特に厳しい寒さ(気象庁HPより)

10月中旬頃までは全国的に高温の状態が続き、北日本や山の紅葉も遅れ勝ちでスタートしましたが、10月下旬以降は一転して、北日本を中心に寒い日が多くなっています。

特に11月に入ってから北海道で極めて気温の低い状態が続いており、気象庁から発表された11月上旬の平均気温をみると、全国的に低温の中、北海道では全地点で平年より3℃以上低いことを示す濃いブルーとなっています。

主要な地点の気温をみると、札幌は2.1℃で平年より5.4℃も低く、1912年2.0℃以来、104年ぶりの寒さとなったのをはじめ、旭川は-0.4℃で平年より5.0℃低く、110年ぶりの寒さとなりました。

さらに網走は1.0℃で平年より5.3℃低く、1889年の観測開始以来、一番の寒さを記録しています。

このところ師走並みの寒さが続いている東京都心でさえ12.2℃で、平年より1.9℃低い程度なので、平年より5℃以上も低い状態がいかに低温なのかが分かるかと思います。

気象庁も異常低温と発表

世界の異常気象(気象庁発表)
世界の異常気象(気象庁発表)

気象庁は週毎に世界の異常気象をまとめて発表していますが、これによると北海道は2週続けて異常低温の状態にあると発表されています。

ここまで気温が低くなるのは偏西風が南に蛇行し、北海道付近に北から強い寒気が流れ込みやすくなっているためだと考えられますが、昨日発表された1か月予報では、少なくとも再来週にかけて(11月25日頃まで)低温傾向が続くのではないかと予想されています。

一方で、関東~九州にかけては今後高温傾向となり、急加速した季節の進みは再びスローペースになると予想されています。

また10月25日に発表された3か月予報ではラニーニャ現象の影響で12月以降、西日本ほど低温傾向が予想されているため、いつからこのような場に転換するのか注目したいところです。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

杉江勇次の最近の記事