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24日(木)は関東平野部でも積雪のおそれ。もし都心で積もれば11月としては観測史上初。

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
24日(木)は都心でも積雪する可能性。(ペイレスイメージズ/アフロ)

南岸低気圧+真冬並みの寒気

24日(木)は関東の広い範囲で降雪(初雪)予報が出ています。

11月に降るという季節外れに早い雪となりますが、この原因は南岸低気圧と真冬並みに強い上空寒気の仕業です。

関東に降雪をもたらす南岸低気圧が発生(気象庁HPより)
関東に降雪をもたらす南岸低気圧が発生(気象庁HPより)

今夜の予想天気図をみると、関東の南海上に前線を伴った低気圧が発生する見込みで、これは冬季に関東平野部に降雪をもたらす南岸低気圧と呼ばれるものです。

降水がピークとなる24日(木)午前9時の上空の寒気予想
降水がピークとなる24日(木)午前9時の上空の寒気予想

さらに北日本から強い寒気が流れ込み、降水がピークとなる24日(木)午前9時の予想では、地上で雪となる可能性が高い上空約250mで0℃以下の寒気に広く覆われる見込みです。

関東の平野部でも広く雪に

雨や雪の予想(23日朝の時点)
雨や雪の予想(23日朝の時点)

けさ計算された最新の天気分布予想によると、あす24日(木)未明には降水域が関東南部に広がり、この時点で山沿いを中心に平野部でもみぞれや雪に変わる所がでてくる予想です。

さらに明け方~昼前にかけて雪がピークとなり、関東平野部でも雪の積もる所が出てくるでしょう。

あす朝(午前6時)までに降る雪の量は、箱根や秩父、多摩など、山沿いの多い所で5センチ、関東北部の平野部で2センチと予想されています。

さらにあす午前6時以降、降水の強度や気温の下がり具合によっては、都心など南部の平野部でも雪が積もることが予想されます。

今後の気象庁発表の情報にご注意下さい。

また今回、雪がピークに入る時間とあす朝の通勤通学の時間帯が重なるため、明朝は交通機関の乱れなどに十分な注意が必要です。

さらに今の時期はまだ車のタイヤを冬用に変えていない方が圧倒的に多いと思われ、ノーマルタイヤの方は極力運転を避けた方が無難だと思われます。

都心で11月に積もれば観測史上初

東京都心11月の降雪日(気象庁天気相談所より作成)
東京都心11月の降雪日(気象庁天気相談所より作成)

気象庁天気相談所の発表資料で調べてみると、東京都心で観測のある1876年以降、11月に雪が降った年は9年あり、雪の延べ日数は計13日となっています。

ただ雪が積もったという記録はなく、もし初雪が降れば54年ぶりに11月の雪となりますが、さらに雪が積もれば11月としては観測史上初めてのこととなります。

今の個人的な予想だと、初雪が降る可能性は80%、雪が積もる可能性は50%程度だと思われます。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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