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寒さ一転、来週にかけて気温上昇。多雪地帯では雪崩に注意を。

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
来週にかけて気温が上昇。暖かな日が多くなりそう。(写真:アフロ)

けさが寒さの底

12月17日(土)の最低気温。気象庁HPより。
12月17日(土)の最低気温。気象庁HPより。

ここ数日、強い寒気が南下した影響により、全国的に気温が下がり、真冬のような寒さとなりました。

なかでも、けさは一段と冷え込みが強まり、全国の気温の観測ポイント928地点中、約7割にあたる635地点で0℃以下の氷点下となりました。

東京都心でもちょうど0℃まで下がり、この冬一番の冷え込みを記録し、初霜を観測しています。(気温は北の丸、初霜は大手町)

東京都心以外でも、広島、大分、宮崎、鹿児島で初霜と初氷を同時に観測するなど、各地で厳しい冷えこみとなりました。

ただどうやらけさの冷え込みが寒さの底で、今後、週明けにかけて、一気に気温は上昇する見込みです。それは上空の寒気の予想をみると一目瞭然です。

寒気は一気に退散

上空約1500mの気温予想。
上空約1500mの気温予想。
上空約1500mの気温予想。
上空約1500mの気温予想。

地上の気温と大きく関係する上空約1500mの気温の予想をみてみましょう。

けさ(17日)午前3時の段階で、すでに西日本から寒気は抜け始めているのですが、それでも東日本には真冬の目安となる-6℃以下の寒気が流れ込んでいます。

また東日本や北日本には、平年より気温が低いことを表す青色の領域が大きく広がっています。

しかし、今後の予想をみると、寒気はあす日曜日には大きく北上し、来週火曜日(20日)にかけて、日本列島は赤一色となり、一転して平年よりかなり暖かな空気に覆われることが分かります。

このような状態は来週の金曜日頃(23日)までは続く見込みです。

来週は年末らしからぬ陽気続く

きょう午前11時に発表された週間予報をご覧下さい。

17日午前11時発表の週間予報。気象庁HPより。
17日午前11時発表の週間予報。気象庁HPより。

来週は関東~九州にかけて15℃を超える日が多く、平年よりは5℃以上も高い日が多くなっています。

東京都心は火曜日~金曜日(20日~23日)にかけて、4日連続で15℃以上の予想となっていますが、12月後半に15℃以上の日が4日以上続くのは、1987年(12月25日~30日まで6日連続)以来、29年ぶりとなります。

那覇は連日25℃以上の夏日が予想されており、やはり12月後半にこれほど夏日が続出することはあまり例がありません。

北日本でも気温が上がり、札幌でも連日5℃前後まで上がる予想です。

この1週間は平野部を含めて、かなり積雪の増えた所も多いため、来週にかけて多雪地帯では、雪崩や屋根からの落雪、融雪洪水などに注意が必要です。

なお、水曜日~金曜日にかけて雨の降る所が多い予想ですが、低気圧が発達しながら日本海~北日本を通過するため、全国的に荒天となる恐れがあります。

この低気圧の動きにも今後、ご注意下さい。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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