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初日の出、見える都市ランキング

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
初日の出はどこで見られる?(ペイレスイメージズ/アフロ)

元旦は西高東低の冬型の年が多い

今年も残りわずか、新年が明けて最初のイベントといえば、初日の出でしょうか。

一般に元旦は西高東低の冬型になることが多く、太平洋側では晴れやすいものの、日本海側では雲に覆われることが多いものです。

そこで実際はどうなのか?

気象庁のHP上で午前6時の雲量データがある35地点について、過去30年間、元旦の天気を調べてみました。

なお雲量とは、空の全天に占める雲の割合のことで、雲量0~1が快晴、2~8が晴れ、9~10が曇り(雨や雪、霧など)と定義されています。

初日の出は午前7時前後に東の地平線から昇ってくるので、厳密に言えばその地点での初日の出の天気ではありませんが、ある程度の参考にはなると思います。

また主要地点の高知だけは、午前6時の実況データがないので、午前9時のデータで調べています。

元旦の晴天日数(晴天率)は?

過去30年、元旦の晴天日数(気象庁HPより)
過去30年、元旦の晴天日数(気象庁HPより)

午前6時の雲量をもとに晴天日数(晴天率)を調べました。

ランキングを作ると以下のようになります。

1位 24日(80%)東京、甲府、高知

4位 22日(73%)前橋、宮崎

6位 20日(67%)大分

7位 18日(60%)名古屋

8位 17日(57%)銚子

9位 16日(53%)仙台、松山、熊本

12位 15日(50%)釧路、広島

14位 14日(47%)函館、大阪、高松、下関、福岡、鹿児島

20位 13日(43%)長崎、南大東島

22位 11日(37%)那覇

23位 10日(33%)盛岡

24位 9日(30%)網走、新潟、名瀬、石垣島

28位 8日(27%)札幌

29位 7日(23%)松江

30位 5日(17%)稚内、鳥取

32位 3日(10%)旭川、青森、秋田、金沢 

ランキングが1位の東京、甲府、高知の快晴日数を調べると、甲府19日、東京17日、高知14日となっています。

甲府の快晴日数が特に多いのは、日本海からの雪雲が届かず、さらに海からも離れているため、湿った空気の影響を受けづらく、雲が発生しづらいと考えられます。

逆に晴天日数が最下位の旭川、青森、秋田、金沢の快晴日数は、旭川、青森、秋田で0日、金沢で2日となっています。

このことからも、日本海側で、快晴の中で初日の出を拝めるのは数十年に1度あるかないかという状況であることが分かります。

また、実は南西諸島も日本海側に匹敵するほど極端に快晴日数が少なく、石垣島0日、名瀬1日、那覇2日などとなっています。これは暖かな海面上に寒気が流れ込むため、冬季の沖縄は非常に雲が発生しやすいのです。

来年の元旦の天気は?

2017年の元旦の天気(12月29日時点)
2017年の元旦の天気(12月29日時点)

では来年2017年の元旦の天気はどうでしょうか?

天気図の形は西高東低の冬型となりそうですが、特に上空の寒気は強いものではなく、比較的弱いレベルの冬型と予想されています。

このため、基本的には太平洋側では晴天域が広がり、日本海側では曇天模様となりそうですが、例年よりは日本海側でもチャンスがあるかもしれません。

今のところ、雪や雨が予想されているのは、新潟県を中心とした北陸地方だけで、北海道や東北を中心に、日本海側でも初日の出の拝める所があるでしょう。

また寒気が弱いため、南西諸島でも例年よりは雲が少なめとなりそうです。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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